カレイドスコープ

春風月葉

カレイドスコープ

 都会に広がる背の高いガラス張りのビル達は交差点を流れる人々を万華鏡のように映しあう。

 それは狭く息苦しいこの場所にのみできる光景であり、次の瞬間には同じものを二度と見ることができない流れるような作品だ。

 人々は相変わらず興味もなさそうに下を向いて歩いている。

 押し付けてくるような都会の低い灰色の空の下、見上げることのない住人達はやはり下だけを見て歩き続ける。

 都会の万華鏡はそれすらも美しく色鮮やかに映した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

カレイドスコープ 春風月葉 @HarukazeTsukiha

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る