第29話      愛の証拠

心の底から、溢れ出す思いが

自らの手を振り解き



愛を叫ぶ



認めて欲しかった、

ただ、ただ側に居て欲しかった


当たり前のようで

そうでない



幸せ

ただ、幸せになりたかった


小さい頃、見せられたヒーロー像

愛する人を守る為、今日も悪と戦う


大人になれば当たり前のように

正しくあれ、素直であれ、真面目であれ

いつの間に、僕のヒーロー像は

ガチガチ両腕両足をしばられた罪人のように

Yesを求め続けられている


心は、溶け出し

ドロドロとした思いが身体を巡る

瞬く間に、真っ黒に


助けて欲しいとも言えず

斜め下を向く日々

自分が正しい、アイツは間違っている

何でわかってくれないんだ

オレは、こんなにこんなに




一人にさせてくれ





もう。何もいらないから


寂しいなんて思わないから







ただ、ただ認めて欲しかった


抱きしめて欲しかった



愛が欲しい


  


          空


全てを包み込み

全てを許し

全てを愛する



あなたの幸せをいつも願っている


あなたは、地球上に存在する全ての生き物と同じ


一つの小さな細胞が集まってできた

小さな生き物



苦しみを無くすことは出来ないけれど

幸せを感じることはいつでも出来る



息を大きく吸って




優しく吐く



身体を流れる血液を感じてごらん

温もりを




愛もぬくもり

温かい



もう一度、自分の心に目を向けて



ほら、もう大丈夫




あたたかいのは、愛がつまっている証拠だから


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