サービスの多いレストラン

勝利だギューちゃん

第1話

その昼、外回りで疲れた俺は、近くのファミレスで食事をすることにした。

店内に入ると、店員の「いらっしゃいませ」の、声が響く。


どこに座ろうかと迷っていると、「お好きなところにどうぞ」と言われたので、

適当に、腰を下ろした。


水が運ばれてくるのを待っていると、

「当店、お水はセルフサービスになっております」とのこと・・・

駅の立ち食いそばじゃあるまいし・・・と思いつつも、俺は水を入れに行った。


しばらくすると、メニューを持ってきた。

「ご注文は、いかがいたしましょうか?」

「オムライスで・・・」

「かしこまりました。こちらへどうぞ」

店員に案内されると、そこは厨房だった。


「あの・・・」

「当店、セルフサービスになっております。御自分で調理してください」

たく・・・


まあ、食材は用意されているし、オムライスくらいなら作れる。

仕方ないので、自分で作って、自分で食べた。


食べて、会計をしようとすると、

「当店、セルフサービスになっております。食べ終わった食器は、御自分で洗って下さい」

おいっ


辺りを見回すと、皆、同じことをしている・・・

なんなんだ、この店は・・・


「ご来店、ありがとうございます。レジはあちらです。

御自分で、会計なさってください」

「まさか・・・」

「当店、セルフサービスになっております」


こらっ


宮沢賢治の小説か・・・

ていうか、それよりもたち悪い・・・


でもまあ、いい息抜きになったが・・・

でも・・・もう来ない。


といいつつ、明日も行くのであった・・・

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サービスの多いレストラン 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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