第5話 計画と準備
「それで具体的にはどうするんだ唯和?」
「ごめん、考えてなかった。こういうのって始めてだから分からないし…」
「告白の定番は教室に呼び出して渡すとかかな」
「放課後の教室、呼び出しの手紙に従って教室に向かえばそこにはなぞの美少女が…うん。こんなのでどうだ?」
「いいと思う、ありがとう二人とも協力してくれて」
「いいのよ」
「好きでやってることだしな」
僕一人ではできなかっただろうことが二人の協力で出来るようになった。本当に感謝してる。
「チョコは王道だけどハート型にしましょう。あなたが好きですって一目で伝わるようにね?あの鈍感な一龍でもさすがにわかるでしょ」
演出を明に任せて僕と理子は細かいもの、チョコレートの形、種類や告白の内容、どんな服、化粧をして教室で待つかとかそういうものを決めていた。僕には分からないことが多くてそういうところは理子がしっかりとアドバイスをくれた。
「でね、服も少し考えてきたの。ほら見てこれうちの学校の女子制服!私の予備だけど唯和の体格なら余裕のはず、どう雰囲気でそうじゃない?」
「僕もね、少しそれを考えたんだけど。一番好きなもので勝負したいから僕は一龍の好きなものを着たい!」
彼が何が好きなのかはわかっている。そして僕は彼の好きな人になりたい、だから好みに合わせるのが一番いいはず…。
「分かったわ。着ている所を見たかったちょっと見たかったけど、ちゃんと決めてきたのならいいわ」
「うん、これがいいの」
好きだもん。
「それで告白の内容は考えてきた?ちょっとやそっとの言葉じゃ動かないわよ」
「思いつく限りの言葉を使って考えて来たよ。チョコと一緒に渡すし大丈夫、きっと伝わるよ」
笑いながら僕は言ったきっと伝わると信じて。
「よしじゃあ、次はお化粧ね」
「えっ」
「化粧」
「必要かな?」
「女の子だもの、必要よ」
「嫌ぁ」
「するわよ…!」
理子はその後数時間にわたって僕に化粧を教え込んだ。途中から嫉妬が混じり怖かった。
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