【第6回】第1章 可愛い戦闘侍女が付きました④

    * * *


 家族といつたん別れて現在西館に来ているのだが、夕飯まで少し時間があるようだ。

 侍女のサリエは俺の自室のすぐとなりにある従者用の待機部屋でひかえさせている。この空き時間に、今、俺が気になっている事を順番にかくにんするとしよう。まずは俺の今の容姿だ。

 目の前の鏡に映っている俺は母によく似た中性的な美少年。肌は色白で、目もパッチリしていて鼻筋も通っている。小顔で均整のとれた可愛かわいい感じだ。かみの色は水属性と聖属性の得意な者に多いシルバーブルーだ。母親の髪色に近い。

 細マッチョで整った可愛い容姿なので、俺的にかなり気に入った。

 次はステータス確認だな。例の【クリスタルプレート】を呼び出す。頭の中で思いかべて【クリスタルプレート】とえいしようすれば胸の前にほうじんで浮かび上がらせる事ができる。

 もうまく上に出すことも可能で、せんとう時はそっちを使う方がいつぱん的だ。

 どれどれ……俺のステータスはどんな感じかな?

 ん? んん!? 種族レベルの表示が1になっている!

 アリアさん、これでどうしろと? これはヤバイ! 俺の元のレベルは種族レベル18あったはずだ。何で生まれたての赤ちゃんみたいにレベルが1しかないんだよ! これ下手へたしたらすぐ死んじゃうよ?

 身の危険を感じるので、さつそくアリア様から頂いたオリジナル魔法で強化するとしよう。

 とりあえず、ぐにるモノからつくるかな。

【インベントリ】空間に倉庫を創る。時間停止機能が有り、収納数及び重量制限は無制限。

 よしできた! これは絶対欲しかった! ラノベではよく有る定番チートだよね。

【ナビシステム】この世界の情報を収集して、その情報を音声ナビしてくれる俺専用ナビ。

 人格を持ち、独自に思考して俺に危険が無いよう音声ナビしてくれるAI的なイメージだ……よし、ナビシステムちゃんおいでー愛してるよ~!

 かなり集中してイメージしてみたがどうだろう?

「ナビゲイトさん居ますか? おーい? ナビシステムちゃんやーい!」

 返事無し。やっぱりダメか……世界の情報にかんとか流石にないですよねー。

 音声ナビ的なモノが有ればすごく便利だと思ったのだけどな……気を落とさずに次だ!

 直ぐに要るのは、周りのじようきようしようさいに分かる事。これが有れば危険がかなりかいできる。つまりたんさく魔法だ。元からこの世界に有るそん魔法にももちろんあったのだが、おおざっぱな物だった。俺は詳細に分かる魔法が欲しいのだ。良いのが無ければ創ればいい。

【周辺探索】自分を中心にサークル状に詳細探索する。MAP化し光点で敵味方をリアルタイムに確認できる。光点の色分けで敵味方の判別可能。じゆう:赤 敵:赤てんめつ パーティーメンバー:緑 無関係者:白。

 ……よし、こんなものかな…………。

『……マスター、マーキング機能もあった方が良いのでは?』

「ふぁっ! びっくりした! もしかして、ナビシステムちゃん!?」

『……はい』

「なんで? 【魔法創造】成功していたの? どうして直ぐに返事してくれなかったの?」

『……ずかしかったのです』

「女の人の声だね……可愛いアニメ声?」

『……マスターのイメージどおりです』

「マスターって言うのは?」

『……イメージどおりです』

「それも俺がスキル創造時にいだいたイメージなのか……恥ずかしいのも?」

『……分かりません。でも愛してるって、マスター言いました』

「エッ!?」

『……言いました!』

「あ!! りようかいです! 『ナビシステムちゃんおいでー愛してるよ~!』って言ってる俺の動画、俺の網膜に直接リピート再生しないでね。しゆうプレイ禁止!」

 なんか、ヤバイのできちゃったかな。感情とかあるのか?

『……創っておいて3分で捨てられる可哀かわいそうな私……』

「げっ! 思考も読めるって神と一緒ジャン! 俺のプライベートは? あの~、24時間ずい発動型でしたよね?」

『……マスターがそうイメージをしたはずです……3分で捨てられる?』

「もうぶっちゃけて聞くね……若いリビドーに負けてはじけたい時、俺のプライベートは?」

『……ナビします! ナビシステムだけに』

「上手い事言ってないからね! 後、直リンクで俺の網膜上にエロ動画送ってこないで!」

『……マスターのPCの隠しフォルダに入っていました。再生回数の一番多いヤツです! 前回再生しゆうりよう位置から再生しました』

「えっ? 日本の俺のPCとつながっているの? 確かにダウンロードボタンをクリックしたら飛ばされたけど……それと俺の恥ずかしい事をバラすのも禁止!」

 俺の思考もつつけのようだ。まぁ、あと6日ほどだし、別にいいけど。

「ナビシステムちゃん、少しの間だけどよろしくね」

『……少し? あ、はいよろしくお願いします』

 とりあえず、いつおそわれるか分からないから、ぼうぎよをさっさと固めよう。

【カスタマイズ】自分のステータスやスキル熟練度をいじって強化できるようになる。

【マジックシールド】魔法で熟練度相応のダメージを吸収してくれる。

【プロテス】物理防御の強化魔法。

【シェル】魔法防御の強化魔法。

【無詠唱】魔法の詠唱をしなくても発動できるようになる。

 これだけあればそくは無いだろう。戦闘侍女のサリエが駆けつけるまで持てばいい。

 問題は創った各魔法のMP消費量だ。1つ発動するのに消費MP1000とかだと詰みだ。できるだけ早めに検証する必要がある。

『念話できるのかな? ナビシステムちゃん?』

『……はい、それで念話可能です』

『システムちゃん、今このしきにいる以外の者が来たら教えてね? そういうのできる?』

『……可能ですのでだれかが来たらお知らせします。それよりマスター、素敵な名前がほしいです。システムちゃんはいやです』

 名前がほしいのか……確かにシステムちゃんはそっけないよね。

『じゃあ、ナビシステムだからナビー! 「ナビー」音的に凄く可愛いひびきだよね?』

 少しカーナビやナビゲーターとかの説明もしてあげたら、自分で検索していたみたいだ。

『……運命共同体でパートナーですか。ナビゲーターのナビー、凄く気に入りました。今からナビーとお呼びください! この世界でオンリーワンです!』

 気に入ってくれて良かったが、こいつ結構ちょろいな……。

『……聞こえています! チョロくて良かったですね!』

『思考を読みやがった……悪かったって。でも可愛い良い名前だろ?』

 そうだ、折角ナビーが居るんだし、もう1つ創っておこう。

【詳細かんしき】ナビー経由で鑑定した物の平均価格や相場のデータが得られる。【周辺探索】とへいようする事によりMAPに人物名や魔獣名などが表記できる。

『……鑑定魔法の応用ですか。凄く良い発想です。以降ナビーがサポートします』

 初期値としてもらった10ポイントあるAP(アビリティポイント)を9ポイント使った。

『そうだナビー、相談なのだが、実は生き返ったことで俺の種族レベルが初期化されて現在レベル1しかないのだが、どうしたものかな?』

『……レベル1……これは凄く危険な状態ですね。う~ん、手っ取り早くレベルを上げるためには魔獣をる必要が有りますね。街の周辺でスライムやゴブリンなどをたおすのが良いかと思われます』

 スライムきたー! 魔獣狩り……なんか異世界っぽくていい! ぼうけん者とかあこがれる!

 明日はサリエとこっそりスライム狩りに行こう。

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