【第5回】第1章 可愛い戦闘侍女が付きました③
* * *
「お前はフィリアに悪いからと、これまで侍女を付けずにきたが、やはりこの際専属侍女を付ける事にする。命には代えられぬからな、
学園に通う際に、
俺にも16歳の入学に合わせて、3人ほど従者教育されていたようだ。しかし1名が
で、今回の件で戦闘ができる侍女の方が選ばれる事になったようだ。まぁ、俺的には男子より女子のほうが嬉しい。ヤッターと内心で思ってしまった。
足の悪いナナには特別処置として侍女が2人付くことを学園が許可している。
ナナの世話をするのに特化した介護侍女だ。首席合格と公爵家という点が
「執事候補の者は優秀だが戦闘があまり得意ではないのだ。今回の件もある……お前には戦闘系の侍女を付ける事にする。やはり学園に公爵家が侍女や執事を連れずに行くのは体裁が悪い」
「分かりました。父様が選んだ
「ああ、優秀なのだがちょっと変わった子でな。あはは、まぁ
何だ、今のリアクションは?
父様がどこかに
いや言い直そう、1人の幼女がやってきた。どうみても10歳くらいにしか見えない。
しかもメイド服だ! 我が家のメイド服は公爵家だけあって全て品の良い特注品だが、クラシックな英国風の
「父様、どうみても子供じゃないですか。こんな子供じゃ戦闘なんてできないでしょ? 侍女としての仕事も、これじゃ逆に俺が子供の世話係じゃないですか」
「
「ん! レディーに対して失礼!」
「ええ~! 15歳なの? これで同い年? ……」
自分でレディーとか言っているけど、どうみても幼女ジャン! お子ちゃまジャン!
「彼女はエルフと人間のハーフエルフの母と、ドワーフとホビットのハーフの父親の間に生まれた子なのだ。小さいのはホビット族の血の
なんと4種の混血だった……幼く見えるのは異世界特有の種族特性のようだ。
「エルフもドワーフも混血を
「でも、平民は王族である公爵家の侍女に成れないのではないですか?」
「その点は心配ない。彼女は我が配下の子爵家の養女にしてあるので、貴族として王都に登録されている。お前たちの入学に合わせて準備は
「……こんなに小さくて大丈夫なのですか? 本当に戦闘なんかできるのですか?」
「これも私の予想外なのだが、彼女は
「ん、公爵様に拾ってもらい、貴族の養女にまでしてもらった。恩を少しでも返したくて頑張った! 毎日リューク様の役に立てるように凄く頑張った!」
彼女の必死さが伝わってくる。
8歳からだと約8年間この時の
エルフとホビットのハーフとか可愛いんだろうな……顔が見たい!
「目を見せてもらえるかな?」
「リュークよ、彼女は私にも
「目は口ほどにものをいうといいますが、性格なども目に出ます。主従関係になるのですから、お
「ん、
「な! ずるいぞ! 俺も見たい!」
「ん! 公爵様でもダメ! リューク様だけ特別!」
彼女は部屋の
「なっ!」
あ! この子もデモに映っていた可愛いエルフの女の子だ!
「どうしたリューク!」
「父様! 可愛い妖精さんが居ました! ナナやフィリアに
「どれ、私にも見せておくれ」
「ん、ダメ! 母様との約束! 顔は絶対見せちゃダメなの!」
「あー、そういう事か……」
「リュークには理由が解るのか?」
「母親は彼女を心配して見せちゃダメと言ったのでしょう。エルフやホビット族は男女共に可愛い美形が多いので、よく
「成程、養父から凄く可愛いとは聞いていたが、それほどの美少女なら私も
「ん、公爵様でも絶対ダメ!」
「うっ、仕方がない……
「はい、俺の専属侍女は彼女にお願いします。暗殺者も小さい娘なら油断するでしょうし、うってつけかも知れないです」
「ん! ありがとうリューク様!
声から本当に嬉しそうなのが伝わってくる。
侍女の中には、親に言われて
高位貴族に付いて、自家との
「じゃあ、君の名前を教えてもらえるかな?」
「ん、サリエ・E・ウォーレルです。よろしくお願いします」
「サリエ、これからよろしくね」
俺に可愛い戦闘メイドが付きました。
「リュークよ、具体的に暗殺者に
「特にないのですが、少し揺さ
西館は、本館から500mほど
「成程、あえて情報を流し、
「厳重警備にすると、敵に場所が気付かれるので、こっそり
「だがかなり危険だぞ、いくらサリエが
「はい、理解しているつもりです。ですが俺には女神様から頂いたスキルがあります」
「その
「そうですね。父様が『ずるい!』って言うくらいのものです」
「うーむ、ますます知りたくなったが、教えてはくれないのだろ?」
「今はダメですね。女神アリア様が教えても良いと言うまでは勝手に言えません」
「色々不安だが、女神様の
「はい、女神アリア様に
7日間しか期間がないのだ。早くこういう事件は解決して、異世界でしか見られない本物のエルフや
「忘れるところだった。少し前にラエルから連絡があって、この際お前たちと
「そういえば先ほど教会内で見かけましたね」
「
ゼファーとは父様の弟で、その子供がラエル君だ。俺からすれば
ラエルはうちのカイン兄様と同じく王家の血が
「でも、今、俺の近辺に居るのは危険ですよね?」
「そうだな……ラエルは学園出発まで、我が家の
リューク個人を
追い
ラエルは自家から護衛で
父様は、ナナと母親たちを事が終わるまで実家に護衛付きで帰したそうだ。
体調が悪く、熱のある第二夫人のセシア母様は移動が困難で本館に残ったと聞いたが心配だ。コール機能で話はしたが、後でゆっくり会いに行く約束をしている。
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