【第2回】プロローグ 7日間の異世界体験アンケート企画に当選したようです②

「地球にある素材はすべて有りますし、むしろ地球には無い素材も沢山あるので、あなたなら現代知識で色々できるのではないでしょうか?」

 生産チートのことかな……確かに魔法と科学をゆうごうさせれば色々できそうな気もする。

「7日間の無料体験という事ですが、7日過ぎるとお金がるのですか? 満足いかなかったら代金は要らないという事みたいですが、具体的に代金とはどういう事でしょうか? お金という俺の考えで合っていますか?」

「7日を過ぎると対価は要りますが、お金ではないです。無料期間の7日まではあなたが元の世界に帰る際に転移された同じ時間に帰れます。ですが7日以降は過ぎた日数分の時間を代金としてはらってもらいます。現実世界でも時間がってしまいますので、あまりちようし過ぎるとあなたの職場やご家族にめいわくかるのでお気を付け下さい」

「なんだ……代金とは超過時間分のり合わせでしたか。寿じゆみようとか言われてもいやなので安心しました」

「それでは神じゃなく悪魔じゃないですか……そもそも7日過ぎなければ元の時間にもどれますので、別に深く考える必要もないと思いますが……」

「それもそうですね。もし、私がその企画の参加を断った場合はどうなるのですか?」

「この会話の記憶を消して、ダウンロードボタンをクリックする瞬間に帰されます。ですので、おそらくあなたはダミーのゲームをダウンロードしてつうに遊ぶのではないですか? そしてこの権利は2番手の候補者にじようされます」

「ん? 異世界に行ける権利は1人だけってことですか?」

「そうですよ。異世界間の転移は、沢山エネルギーを必要とします。そう何人も送りむかえできないのです。ですので、かん時に具体的な感想を言ってもらえる方が選定されています。そうでないとテスターの意味がないですからね」

「やはりテスターとしての参加意義があるのですね?」

「当然です。先ほども言いましたが、この世界は日本のラノベやゲーム等の世界観が参考になっています。そういうのが好きなあなたにこの世界を体験して頂き、帰還時に感想を頂きたいのです。意味も無く異世界に呼ぶような事はしません」

 なるほどね……あくまでアンケートかくって事みたいだ。

「では、これからあなたの転移先のことを簡単に説明いたします」

「あの、俺がすでに企画に参加する前提で話しているみたいですが?」

「……めんどうですのでぶっちゃけちゃうと、あなたが断らないのは分かっているのです。そういう属性の人を選んだのですからね。なので、さっさと話を進めましょう」

「属性って……はい、そうですね。転移転生モノ大好物です。余計な時間を取らせてごめんなさい」

 本当に手短にこの世界での注意こうとかを説明された。

「あの、俺は向こうではどういうキャラになるのでしょう」

「ゲーム世界ではないので、キャラという言い方はちがいですが、実在するこうしやく家の次男ですね。しかも中々のハーレムかんきようです」

「貴族でハーレム!」

「デモ画面で見たような世界で、彼の周りにも可愛い子はいつぱいいますよ」

 あのデモに出てきたような可愛い子がいる……想像しただけでドキドキする!

「成程、貴族体験も貴重で面白いかも知れませんね。うん、それいいです!」

 折角異世界に行くなら、現実とかけはなれたハーレム環境はいいね!

「それでですね、あなたの記憶をその子の体に転移させるのですが、その子は本来くなる運命だったのです。あなたの宿主となる事によって、死亡する前に回復させ仮死状態にしてあげますのでそのつもりでいてください。死者はどの世界でも絶対生き返らないので、あくまで仮死状態での復活です。現実世界はゲーム世界とは違いますからね」

「仮死状態で目覚めるのですね……分かりました」

「……それと、お約束的にスキルを何でも1つ差し上げます。この中からご自由に選んで、向こうでの異世界ライフにお役立てください」

 チートきたー! と思ってしまったのは仕方がないよね。

「うわー、凄そうなのが一杯……」

 俺は30分ほどじっくりながめたのだが、しっくりくるものがなかった。確かに凄いものばかりだとは思う。経験値10倍とかチート過ぎでしょって思うが、たった7日間しかいないのにあまり意味がない。きんじゆほうとかも凄そうだけど、7日の間にそんな危険な魔法いつ使うのって話だしな。7日間というわくの事を考えるとどれもこれもパッとしない。

「なかなか決まりませんね……」

「ごめんなさい。7日という期限を考えたらどれもピンとこなくて」

「……では、あなたのイメージでそのらんにないモノを創って差し上げましょうか? 魔法スキルでなくても、物理的なけんでも、技術的な技能なんかでも構いませんよ」

「え? 俺のイメージで何でも創ってもらえるのですか?」

「あくまでも創主様がお認めになるはん内ですよ。できない物はできないと判定します。欲しい物や欲しいスキルはできるだけしっかりしたイメージを思いえがいてください。ラノベのようにお約束的に、女神の私を従者にとかのお願いはなしですよ」

 可愛かわいい女神様どうはんっていうお約束的な願いは、心を読まれたのか事前にきやつされてしまった。頭で思うだけで良いらしく、俺は結構な時間女神様に強いイメージを送って、俺専用のオリジナル魔法を得た。

さずけるのはたった1つなのに、すごく時間を掛けましたね。【魔法創造】? これはまずいモノのような気がします……少しお待ちください」

 やっぱストップがかかったよ。アラジンの魔法のランプの魔神さんでも願いを増やすのはダメって先に明言しているしね。これって相当なインチキだよね。

「でも女神様、確かにチートな魔法ですけど、たった7日間しかないのですから、お遊び程度の事しかできないでしょ?」

「7日間ならそうでしょうけど……」

「うん? どういう意味です?」

「いえ、深い意味はないです……あはは……う~ん、どうも回収できないようです。まぁ、創主様がお認めになったようですし、問題ないでしょう……」

 創主様とやら、ありがとう!

「それではこれからあなたを異世界の体に転生させます。楽しんできてくださいね」

「はい、折角なので目一杯楽しんできます。行ってきます!」

 俺はウキウキ、ワクワクのテンションMAX状態で女神様に行ってきますと伝えた。

 直後、再度光に包まれ、異世界に飛ばされたようだ。


『はぁ……だますようなマネをしてごめんなさい。でも、あなたに協力してもらわないと、この世界はもうなのです。本当にごめんなさい』

 龍馬がいなくなった部屋で、女神アリアはそっとつぶやくのだった。

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