第9節 GWは四国で楽しもう!

 今日は茨城でのアウェイ戦があるが、せっかくの10連休のGW前半の3日間は、美帆と一緒にたまにはサッカーを忘れて旅行しよう!という結論に至った。


 俺と美帆は、羽田空港から飛行機に乗り、徳島空港でレンタカーを借りて、鳴門海峡で渦潮を見た後、香川県ヘと向かい、丸亀市でうどん屋へ向かい、お昼ご飯を食べ終わり、今は愛媛県へと高速道路を走っていた。


 美帆はペーパードライバーのため、運転するのはもちろん俺だ。

 そして、ちょうど試合開始時間となったため、助手席で持ってきたタブレットを開いて、スポーツチャンネルダズーンを開いてサッカーの試合を観戦し始めた。


「あぁ…」


 すると、10分ほどたって美帆の嫌な悲鳴が聞こえた。


「どうしたの?」

「失点した…」


 どうやら開始10分ほどで相手に先制点を取られてしまったようだ。


「あらら…」

「なんか、この間の惨敗した試合にしててなんか嫌な感じ。」


 そんなことをいいながら、美帆がむくれっ面をしていた。


「まあ、まだ始まったばかりだから」

「そうだけど…」


 俺が美帆を宥めると、渋々といった感じで納得してくれた。

 そして、俺は再び運転に集中した。

 結局その後、試合は前半1点ビハインドで折り返したところで、丁度目的地に到着したため、残念がりながらも美帆はタブレットを閉じて車を降りた。





 到着したのは、香川県有名な金比羅宮だ。

 GWということもあり、多くの人でごった返していた。


「うわー凄いねぇ」

「流石ゴールデンウィーク、人多い。。」



 俺たちは人の数に圧倒されながらも、約1300段ある階段を人を掻き分けながら何とか登りきった。

 参拝の列に並んでお賽銭を入れて、参拝を無事に終える。

 本殿からは琴平の街並みがとても綺麗に見えた。


「わぁ~綺麗!ねぇ、一緒に写真撮ろうよ!」


 美帆ははしゃぎながらそう俺に言ってきたので、俺は仕方なくそれに応じて美帆の方へと近づいていった。


「はい、ポーズ!」


 カシャリとスマートフォンのカメラの音が鳴り、俺とのツーショット写真を撮り、満足したように美帆はニコニコとしていたのであった。


 階段を下り、駐車場に戻り車に乗りこんだ俺たちは、再びタブレットの電源を入れた。


「おぉ!!!」


 すると、美帆の歓喜の声が聞こえた。


「どうした??」


 俺が尋ねると驚いた表情を浮かべながらこちらにタブレットを見せてきた。


「逆転して勝った・・・」


 美帆がかざしてきたタブレットを見ると、確かに2-1と書かれた試合結果が表示されていた。


「マジ??」


 俺が目を見開いて美帆に確認する。


「うん、マジ・・・」


 美帆も驚いたようにこちらを見つめていた。

 そして、次の瞬間。ニコっとお互いに笑いあって。


「やったぁ!!」

「やったぁ!!」


 とハイタッチを交わした。


「すごいすごい!私たちが見てない間に逆転してくれちゃった。」

「そうだな、これは凄いな!!」


 俺たちは喜びを分かち合いながら、車のエンジンを入れて、宿泊するホテルへと歩みを進めていったのであった。

 明日からも楽しい旅行になるのが間違いないと感じた瞬間になったのであった。

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