第4話:銅賞

 コンクールの結果は、銅賞だった。

 吹奏楽コンクールは、”金賞””銀賞””銅賞””努力賞”の4段階に審査される。

 ”銅賞”といえど三位の意味ではなく、「まあまあですね、もう少し頑張りましょう」の意味だ。

 決して褒められた賞ではない。


 銅賞だったと知った、コンクールに出られなかった仲間たちの表情は赤かった。


 そして顧問から、私の退部が告げられる。


「突然だが、今日で吉川が部活をやめることになった。……吉川、一言頼む」

「はい。 えっと、短い期間でしたがお世話になりました」



 ああこれでどうだ、清々するだろう。

 私が辞めれば、きみらが今日からレギュラーだ。


 私の退部を知った仲間たちの色を、私は見ていない。

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