【第6回】第1章 異世界激闘編 1.空手vsミノタウロス④
男はマントに
「……それは……!」
「フフ……すでに目的は果たした。また会おう、ウィルマ。また会おう、白衣の
男の身体から光が放たれ、
「ふぅ……」
まずは異世界での初勝利、しかし──おれは目の前に
これから待ち受ける強力な相手を思い、おれは
「……そこのお方……」
不意に声をかけられ、おれは振り向く。女が立ち上がり、こちらを見つめていた。
「この城の
「ああ……」
なんと答えたものか──「異世界から来た」などと言って、通じるものなのだろうか? 先ほどのバケモノを見る限り、ここが異世界なのはまず、間違いはなさそうだが──
おれが答えあぐねていると、
「
扉の向こうから初老の男が息せき切って現れる。
「これは……? ジャヴィドは一体、どこへ……?」
そう声に出したあと、男はおれを見、表情を硬くした。
「貴様……
男はそう言いながら、
「おやめなさい、ゲディス!」
姫様、と呼ばれた先ほどの女が
「この方は
「この男が……
ゲディスが
おれは姫の横顔を見た。争いの中でほこりにまみれてはいたが、その目には確かに、力強い光が
* * *
城の中庭に出ると、空はすでに暗くなっていた。電灯などはもちろんついていないが、星灯りに照らされた中庭は思ったよりも明るい。
城の中は、先の
おれは夜空を見上げる。そこには見事な星空が広がっていた。人工的な灯りに
「……本当にここは異世界なんだな」
「だからそうだって言ったでしょ」
何気なく
「……えっと、
「ぅおい! もう忘れたんかい! 女神よ、女神! あんたをこの世界に連れて来た張本人!」
「あぁ……」
そう言われてみれば、この世界に来る前に意識の
「……あれ、夢じゃなかったのか」
「今さらなに言ってんの! まったく、こんな導き
女神──確か東宮のグレン、って言ったっけか──は
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