【第2回】序.空手vs炎の魔神イフリート②
「
必殺の炎がかき消され、魔神が
「はぁぁっ!」
後ろ足を瞬時に引き付け、敵に向かって前足を大きく
「だめ! 防護魔法もなく炎の魔神に触れたりしたら、一瞬で腕が灰に……!」
女騎士が叫ぶ、しかし、もう
──パァァン!
次の瞬間、
──数m離れたロウソクの火を、
よく誤解されるのだが、あれは拳の起こす風圧で火を
「ちぇやぁぁぁぁーっ!」
1発目の寸止めによって消えた炎、そこに
ドガァッ!
とどめとばかりカウンターの飛び
いかに魔神であろうとも、人の形をしている以上、急所は同じである。しこたまに脳を
──着地、そして残心。
あれほど
観客席が暴動になった場合、あの
「すげぇ……!」
客席にいた
それを皮切りに、客席のそこかしこからざわめきが起こり、そしてそのざわめきはいつしか、
「これは……」
女騎士は不思議そうな顔をしていた。先ほどまで、「異世界転移者を殺せ」と
自分たちよりも貧弱な人間が、武器も魔法も
元来、魔物たちは
──いつしか、歓声はひとつの言葉を成していた。
『
その後、おれの二つ名として広く知られた「
おれはこの時、この遠い異世界の地で、種族さえ
「すごい……」
女騎士はおれの
「そして、貴公の技……素手で
女騎士は信じられないといった様子でおれの手──拳ダコに覆われた拳を見、ぽつりと言った。
「カラテとは……なんだ?」
──「空手とはなにか」。この後の異世界の強敵たちとの闘いの中で、この言葉にはおれ自身が向き合っていくことになる。
実戦で使える空手の技を追求し、より強い相手を求めて異世界のモンスターたちと戦いまくった──この話は事実であり、これはひとりの空手バカの、真実の物語だ。
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