第2話旅立ち2
影一はある挑戦を思いついた。
それは屋久島に行って登山をすること。
GWの旅の帰り影一は自己分析をしていた。
自分の幼少からの人生を振り返ってみたりするうちに自分は自然に惹かれる性質があることに気付く。
たとえば小学生の時によく連れて行ってもらった釣りやキャンプ。
自然の中でボォッとしていると心が落ち着いた体験を思い出す。
そして高校生の頃は陸上部で中長距離をやっていたので体力にはある程度自信があった。
「最北端の次は最南端。旅の終着点で何かが待っているかもしれない。」
そうして盆の長期連休を利用して今度は南に向けて旅をして最後屋久島で登山をして帰って来る計画を思いつく。
そして実行に移すのだった。
「ここが屋久島か。」
始発の高速船トッピーに乗り鹿児島を出て屋久島の宮之浦港に降り立った。
船に乗るのも小学生の頃日間賀島に連れて行ってもらった時以来で短い船旅であったが興奮気味だった。
ここまで下道を延々と走りながら各地の観光地を巡り約一週間かけて屋久島までたどり着いた。
いろいろと普段食べ慣れないものを食べたり見たことのない場所にいたっりする体験はやはり新鮮だった。
まず足の確保でレンタカーを予約していたの港すぐ近くでレンタカー屋に寄った。
そこの店はおじさんとお姉さんの二人で経営していた。
2人はすごく愛想がよく感じのいい人で島に来たことを歓迎してくれているようだった。
ここまで一週間ほどの旅をしてきてもあまり人と話をする機会はなく久々の会話で少し緊張したがいい時間だった。
そしてお金を払い車を借りて島を回ることにした。
まずはじめに向かったのは白谷雲水峡。
宮之浦港から近くにあり歩行距離も長くはないので割と誰でも来られる観光スポットのようだ。
だが登山口の白谷広場まで来て森の雰囲気に圧倒された。
「こんな森は初めてだ。雰囲気が違う。」
弥生杉、三本槍杉、奉行杉などものすごく立派な杉たちをみながら先に進む。
そして終着点の太鼓岩までたどり着いた。
太鼓岩は太鼓のように丸く露質した巨大な花崗岩で岩の上に立つと屋久島の山々が一望でき展望抜群だった。
本州の森とは何か違う屋久島の森にとても心惹かれる影一だった。
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