君がそばにいてくれた

 あれからいくつもの恋をしてきた

 いくつもの出会いと別れがあった

 風景は季節のなかで移ろいながら

 自分さえも変わるものだと知った


 ぼろぼろになるまで読んだ物語も

 いつしか本棚の奥にしまい込んだ

 アルバムのなかの止まった時間は

 思い出の奥で色褪せてくばかり


 でも何も変わっていなかった空があった

 僕が泣き止むまで君がそばにいてくれた

 

 今は幼い君も大人になるだろう

 その時その胸は何を想うだろう

 その時その足は何処へ踏み出すだろう

 景色は悲しくても花は咲くだろう


 たとえ僕がいなくなった世界でも

 夜のまどろみは朝の目覚めになる

 その道を白い雪が覆いつくすなら

 春が溶かすのを気長に待てばいい


 僕らのすぐそばに遠い遠い空があった

 僕が泣き止むまで君はそばにいてくれた

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