CINNAMON(シナモン)
一日の終わりに
シナモンを紅茶にふりかける
食器を片付けた卓を中心に
広がるのはそういう香りだ
どう形容しようもない
シナモンとしか言いようのない香り
心を落ち着ける作用が
あるかどうかはどうでもいいことだ
わずかの工夫で
日常に彩りを加えるのが君の役目だ
どうでもいいことかもしれないが
どうでもいいことだからこそ
僕はたまに君をふりかけるのだ
色即是空の世の中だからこそ
僕はどうでもいいことが好きなのだ
やがて目を瞑れば
どうでもいい人生の一部として
僕は楽しく悲しい夢を見るだろう
僕はその意味を知ろうとはしないだろう
舎利子
色不異空 空不異色
色即是空 空即是色……
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