Ripple Mark(砂紋)

 いく人かの妖女が

 月光の下を行き来する

 細かく刺繍された更紗さらさまと

 彼らだけの言語学が交差する

 世界は青いガラスの底で

 いくつもの砂紋をなぞり

 (力学は微妙な平衡をはらみ)

 死は永劫の距離と接合する

 この地点でかれらは遥か

 旅から旅へ旅をつづけねばならない

 観客なきいちめんの劇場

 琥珀こはく瑠璃るりの物語

 神は気付いているのか

 あなたの似姿を偽装する

 信仰なき禍々まがまがしさを

 そのフラジャリティな確信を

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