第四百六十六話 三姉妹の絆編 その十四
「というか今度は勝負中に爆弾仕掛けられねえ奴じゃん。急に何で正々堂々と……」
いや待て。
二パターンくらい考えられるぞ。
「……」
もしかして背後の伏兵に爆弾投げられるとか。
「もう私も死ぬのは御免ですわ! 爆弾無しです!」
「信じてはやらないが、裏切ったら私の不戦勝にするからな?」
「望むところですわ! それより今日は何かを賭けましょう!」
「良いから落ち着け。んで……賭け?」
「そうです。私に勝ったら、好きなものを何でも食べさせてあげますわ」
「却下」
「どうしてですの!」
何で分かんねえの?
「お前のはした金じゃ私達全員の胃袋を満足させるのは不可能だし、どうせそうなったらバイト探し手伝えとか言うんだろ? 分かりきってんだよんな事」
「ぐぬぬ……」
「んじゃあ私が勝ったらそうだな……あいつに服買ってくれ」
「あいつ?」
私は心美を指さす。
「私の家に、一人居候が来てな。でも姉さんの服をずっと借りてるわけにもいかねえから、誰かが服代出してくれるんならその方が良いんだが」
「の、望むところですわ!」
「で? 私が負けたらどうなんだ?」
「私が初さんに勝ったら、一日全裸で私の隣を歩いてもらいますわ!」
「なっ……」
「さあ、勝負なさい」
「待て」
「何ですの?」
「それ私もだが、お前がそういう趣味の持ち主だと勘違いされねえか?」
「どういう趣味ですの?」
二次元コンテンツにあまり触れた事ねえせいかどうか知らねえが分かんねえんなだな。
「つまりお前も変態だと思われるって事だ」
「……」
「今からでも遅くねえ。別のものにした方が
「しませんわ!」
は? マジかよ。
「今初さんは明らかに動揺していた。という事は、私にそれをやらせない為に言い訳をしてるんですよね?」
言い訳ではねえけど、お前の為を想ってやらせねえようにした私の気遣いは?
「絶対にその貧乳を暴いて
「口の利き方に気を付けろバーロー!」
美咲の顔面を一発殴る。
「ぐっ……」
「目つき悪いはまだ許す。身長が低い? それもまあ良い。だが貧乳……テメエはダメだ」
胸が全ての世界でそれを言われるのは私のメンタルが抉られる。
「お前に金があったら絶対豊胸手術代を要求するのにな」
「恥ずかしくないんですの?」
うるせえ巨乳。
眼鏡キャラは大体おまけでついてくるからって偉そうに。
「それは作者の偏見ですわよね!?」
「てか私自身も眼鏡で貧乳ってあまり見た事ねえんだよ」
そういう生き方をしてただけかもだが。
「とにかく! 勝てば全裸、負ければ良く分かんない居候に服!」
よく分かんないは同感だな。
私もよく分かんねえし。
「それで勝負ですわ!」
「あーはいはい」
「あの……」
「何です! まだ何かあるんですか!?」
「私です。心美です」
先程まで舐めまわすように店内を回っていた心美が、美咲に言う。
「あー……貴女居候さんでしたわよね」
「居候? 私は初さんの友達です」
「友達? こんな貧乳に友達がいたんですの?」
お前よりは友達が出来やすい性格の筈だけどな。
「よく分かりませんが、何の用ですか? 私は今から友達と勝負を
「その勝負、私にやらせてください!」
は?
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