第四百三十話 偽教師を守れ その六


『な、なんだアレは!』

『ろ、ロボット?』

 

 どうやら足止めに完全成功したらしい。

 全員の視線が集まっている。

 

「仕方ありませんが、自分の中のプログラムに従って。主を守ります」

 

 スタ子の瞳が赤く光り、頭に乗せているサングラス的なものを掛ける。

 

「あ、そう言えばスタ子にサングラス型の補助デバイス渡してたの忘れてたわ」

「それ作者が悪いから大丈夫」

 

 ちゃんと設定見ずに書く作者が悪い。

 

『何をしている! あのロボットを破壊しろ!』

 

 遠くから拳銃を発砲する警官。

 しかし一つもダメージは入らない。

 

「拳銃程度で倒せると思わない事ね」

「お前は何の為にこれ作ったんや……」

「学習型ロボット作る過程で、戦闘用にも出来ないかなと思ってやっただけで、別にこれと言ってアレに戦闘能力がある理由はないわ」

 

 スタ子も苦労してるんだな……。

 

「それアンタが言うの?」

「私何か間違った事言ったか?」

「言った」

 

 よく分からん。

 

「まあ良いわ。スタ子、まとめて消し飛ばしなさい」

「しょ、承知しました」

 

 スタ子は右手を銃にし、エネルギーを溜め始める。

 

『諦めるな! 警棒で畳みかけろ!』

 

 いや逃げてくれ。頼む。

 

「発射!」

 

 スタ子の右手から勢いよく波動が放たれる。

 それはもう、パトカーを全て飲み込む程の。

 

「終わりました……」

 

 まあこの台詞がフラグになる事はねえだろう。

 

「もう行くぞ」

「おう」

「ええ」

 

 ※殺された警官は後日スタッフによって生き返りました。

 

「作者もめんどくさくなったらしいな。スタッフまで雇うとは」

 

 むしろザオリク使える作者探す方が大変だった。By作者

 

「だろうな」

 

※※※

 

 ……。

 

「なあ、藍田」

「なんだよ……」

「お前さ……」

「なんだよ?」

「やる気あんのか?」

「は?」

 

 ……アクセルの音は聞こえる。

 だが……。

 

「何で車が全然進んでないんだ?」

「え? マジでだ!」

 

 気付くの遅すぎだろ!

 

「というか何でこんな事に……」

「初……後ろ」

「恋?」

「良いから見なさい」

 

 ……何なんだよ……。

 

「行かせませんよ……もう耐えられません」

 

 す、スタ子!!

 

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