第四百三十一話 偽教師を守れ その七


「何をしているの!? 早く放しなさい! 警察に捕まるでしょ!」

「お断りします! 私に人を殺させたド畜生をもう博士と思いたくありません!」

 

 あ、ダメだ。

 スタ子の奴……我慢の限界が来ている!

 

「もう怒りました。私が貴女を殺します」

 

 眼が完全に人を殺す奴のそれだ。

 もう私達は終わったと考えて難くない。

 

「おい恋! スタ子どうにかしろ!」

「無理よ! 今操作しようとしてるけど反応なしよ!」

「藍田! もっと加速!」

「無理だ! 全然走らねえ!」

 

 万事休すか……。

 

「それともダメ元であいつに……」

 

 正直期待はしてねえが。

 

『おい姉さん!』

『なによ』

『助けに来い!』

 

 ちゃんと既読……これで助けに来てくれれば。

 

『行くわけないでしょ』

 

 ……知ってた。

 

「尺稼ぎ目的が見え隠れしてるぞ」

 

 悪いか。

 

「悪いね」

 

 ガンッ!!

 

「……」

「もしかしなくても……今アレだな……」

 

 おお神よ……なんて無慈悲な。

 

「さあ、トランクを破壊しましたよ……。大人しく殺されるか死ぬか選んでください」

 

 ……。

 

「こりゃもう覚悟決めるしかねえか」

 

 今の状況を考えても、死ぬ以外に自分が救われる方法がねえしな。

 死ねば指名手配も解けるだろうし、あとは身を隠して先輩だけ誘拐しよ。

 

「いや、その理屈はおかしくない?」

「そうだぞ初!」

 

 お前らこの世界で死んだことないのか。

 

「某爆弾眼鏡も何度か死んでるから大丈夫だ」

「そういう問題じゃねえ!」

 

 そうなの?

 

「そうだぞ!」

 

 大丈夫だ。痛みは一瞬だ。

 

「おいスタ子。殺すなら殺せ」

「初待て!」

 

 その時、光が瞬く。

 一瞬にして私達は、それに飲み込まれた……。

 

※※※

 

 起きたか? By作者

 

「ここは?」

 

 お前らはあの後死体のまま牢屋に連れて行かれたんだ。By作者

 

「……は?」

 

 当たり前だろ。お前ら仮にも指名手配されてたんだから。By作者

 

「……」

 

 そうか……そうだよな。

 

 あのまま蘇っても、お前らは牢屋で過ごすだけになるな。By作者

 

「先輩に、会えなくなるのか……」

 

 まあこうなったのも殆ど藍田が悪いしな。By作者

 

「畜生……」

 

 仕方ないから俺が何とかしてやる。By作者

 

「マジか?」

 

 マジだ。俺も牢屋に入ったお前らの話を面白く書ける程腕ねえし。取り敢えず、藍田の偽教師事件だけはなかった事にしてやる。By作者

 

「やった」

 

 はあ……ホントこれっきりにしろよ? By作者

 

※※※(Previous day)

 

 ……。

 

「戻れたか」

 

 再開地点は私達の部屋の扉の前らしい。

 妙に暖かくなったような気がするが……さて。

 

「どこまで戻ったんだ?」

 

 ……。

 

「うおおおおおおおおおおおおッ!!」

「ふっ、魔界より墜ちし天使・ルシフェルを憑依。吾に力をッ!!」

「作者ゴルァ!」

 

 ? By作者

 

「無かった事どころか第一話まで戻されてんだがどういう事だ!」

 

 何なら一年目からやり直させた方がお前的にも得かなとな。By作者

 

「余計なお世話だ!」

 

 ゲームのデータ全部消されるくらい腹立つわこんなん。

 

※この後流石に戻った。

 

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