第四百二十九話 偽教師を守れ その五


「言ってる場合か!」

 

 流石にもう汚れたくねえ!

 

「甘ったれるな!」

 

 ……。

 

「恋! 後ろのパトカーを出来るだけ消し去れないか?」

「材料なしで作れる程甘くないわよ……」

 

 こんな時だけ使えないの何?

 

「某錬金術の漫画でも言ってたでしょ?」

 

 ワンチャン目の前のゴミ虫を対価にして賢者の石作るか。

 

「いやホムンクルス作る気なの?」

 

 イエス。

 

「お父様?」

 

 違う。

 

『大人しくしろ!』

 

 やべえぞ数台で来てやがる!

 

「初! 頼む! 攻撃してくれ!」

 

 嫌だ! 先輩の為にも断る!

 

「俺と先輩どっちが大事なんだ!?」

 

 まずお前は絶対違う。

 

「どうしてだよ!」

 

 自分で考えろそれくらい!

 つーか絶対勢いで言っただろ!

 

「バレたか!」

 

 この性欲野獣が!

 

※※※

 

『止まりなさい! 止まらなければ撃つぞ!』

 

 ヤバい怖い怖い怖い!

 

「早く何とかしろ! この車破壊されたら終わりだぞ!」

 

 んな事言っても道具も何も無いんだぞ!

 

「恋! スタ子をここに呼べないか?」

「その手があったわ!」

 

 私が言えた事じゃねえけどまずそれに気付いてくれ!

 

「悪かったわね!」

 

 ピポパポ♪

 

「スタ子! 今から私を助けに来なさい!」

『もう貴方の命令を聞くのはこりごりですよ!』

「私が捕まったらメンテナンス出来ないわよ! それに解体されるかも知れないわ!」

『うっ……』

 

 流石生みの親。

 弱点全て把握してやがる。

 

「今からスタ子の本気を見せるわよ」

 

 と告げる刹那。

 

「もうどうなっても知りませんからね!」

 

 何もない空間から、スタ子が出現した。

 

「スタ子ってあんなの出来たのか……」

「アレでもあの化け物には敵わないけどね……」

 

「アレを基準にものを見たらダメだ」

 

 十分凄いロボットだな。ワンチャンアニメのロボット全機敵に回しても倒せる可能性が……。

 

「あるわね」

 

 異議なし。

 

「全アニメ界のロボを代表して俺がツッコもう。……解せぬ」

 

 お前が言うのか。

 

「俺が言うよ」

 

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