第三百八十一話 淀子、五億年ボタンにチャレンジ その三
千年経過。
「……初達……もう死んだわよね?」
生きてるぞ。
「あはは……私なんか千年生きてるわよ~。勝ったわ……」
顔が全然嬉しそうじゃない。
眼が完全にイッちゃってる人だ。
「あと何年かなあ……」
あと499,999,000年だ。
「作者でさえ計算を投げ出すくらいの数字なんだね……電卓の表示のままだし」
「誰か……助けて……」
無理だ。
「……死ね初……」
私のせいにされても困るだけなのをいい加減察してくれよ。
「馬鹿は千年経っても成長しないもんだね」
「そうだな」
今は姉さん帰ったし思い切り悪口言いまくろ。
「あー……ライブ行きたいよ……」
ざまあ。
姉さんの不幸は蜜の味。
※※※
一万年後。
「……」
姉さんは何もしない。
「……私が悪かったのかな」
を……?
「私がお金欲しいのが理由でカツアゲとかやったり馬鹿な事したりしてたからバチが当たったのかな……?」
そうだよやっと分かったか。
「速報。馬鹿は一万年経てば治る」
「やっと改心したのか……」
もうあの世界に怪盗団がいるんじゃないかってくらいだな。
「ああやったな……」
「おう」
「いや全部初のせいね。あいつ疫病神だし」
お前がな。
「悲報。やはり嘘だったらしい」
「馬鹿は死ななきゃ治らないんだね」
※※※
一億年後。
「色々カットしながら見たけど、一億年って倍速使っても長いよな」
「そうだね」
「うっ……ううっ……うう……」
姉さんは泣き始めていた。
「……」
「……美少女の涙でここまで心動かされないってのも凄いね」
「ああ」
それが姉さんという人間だ。
「こんなに泣いてるのに……何で誰も助けてくれないのよぉ……」
悪行のせいです。
「初の馬鹿……戻ったら殺してやる……」
記憶が消される設計でホントに感謝だよ。
「……」
倒れた。
流石の姉さんのサイコパスメンタルでも一億年虚無の空間にいたら破壊されるか。
「もう……生きたくないよ……」
……姉さんがどんどん病んでいく……。
「死にたいよ……」
こんなに見てて楽しいものもないな……。
「何か複雑な気持ちになってきたよ初ちゃん」
「遠藤は憎しみが足りないからそう言えるんだよ……」
「そ、そうなの?」
そうだよ。
「あ、ちょっと待って。二億年後が凄い!」
「ゑ?」
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