第三百六十九話 年末 その二


 それは許さんと遠藤に引き留められ、結局遠藤も諦めてスーパーへ。

 その間は江代と……二人きり。

 

「なんでこーなるの」

「ふっ、吾らはもう共に戦った仲間ではないか」

「そうだけどな……」

 

 いつ姉さんの味方に戻られるか。

 

「今はお互い愛する者がいる身。身体を互いに大事にせねばな」

「お、おう」

 

 江代にしてはまともだ。

 

「ふっ、それはどういう意味だ?」

「普段ウザいクソ馬鹿って意味」

「ギガウィンドを

「撃つなよ?」

 

 遠藤に出禁にされる。

 

「ふっ、しかし謹慎が長いな」

「まあ今までされた分、きっちり反省してもらうってのも良いんじゃねえの?」

 

 私の気が済まねえ。

 

「これで不祥事やらかした人みたいに一週間で戻りましたとかだったら私許さねえ」

「ふっ、フラグにしかならん事を……」

 

 やめろそういう事言うの……。

 

「カツン……カツン……」

「……」

 

 ……姉さん……ではないなこの声。

 

「私はもう貴方の背後にもう既にいますわ……」

 

 稲〇淳二っぽく言われてもバレバレなんだよ。

 口調で。しかも私達には声で分かるから。

 

「美咲(享年十七)」

「かっこの中何言ってるんですの!」

「ニュースでそろそろ取り上げられてもおかしくないレベルでお前自爆繰り返してんじゃん。だから違和感が全く

「ありますの!」

「いや人は死んだら生き返れないから」

「ふっ、正論だがこの世で言うのは少し変な気もする」

「……だな」

 

 ごめんやっば今の無しで。

 

「パチン」

 

※※※(TAKE2)

 

「カツン……カツン……」

「……」

 

 ……姉さん……ではないなこの声。

 

「私はもう貴方の背後にもう既にいますわ……」

 

 稲〇淳二っぽく言われてもバレバレなんだよ。

 口調で。しかも私達には声で分かるから。

 

「美咲容疑者」

「だからニュース風じゃないですの! というかこれなんですの!」

「? だからやり直してんじゃん」

「は!?」

 

 こうして世界はループしていくんだぜ。

 

「ふっ、作者に忘れ去られたあのキャラを思い出す」

「いや忘れられたわけじゃねえけど」

 

 あれは著作権上の関係で二度と出せないだけ。

 

「おーい皆緑のたぬき買ってきたぞ」

「おー帰ってきたか」

「げっ……美咲ちゃん……」

「あら遠藤さんお久しぶりですわ……」

「……久しぶり」

 

 すげえ嫌そうだな。

 

「てか遠藤、この回のオチ思いつかねえからアレやってくれアレ」

「アレやるの?」

「おうよ」

 

 遠藤は短冊のついた笹を取り出して、振る。

 

「短冊は振っても『オチない』です」

「作者ホントにこのネタ好きだよな」

 

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