第三百七十話 年末 その三


 そして時は動き出す。

 

「結局この世界ではスベったの!?」

「よく分かったな」

「酷い!」

「ふっ、吾は面白かった」

「江代ちゃんには聞いてないよ」

「どうしてだよぉお!」

 

 久しぶりだな江代原竜也。

 

「私の方がもっと面白い事を」

「やめろ」

 

 どうせ親父ギャグしか出来まい。

 

「なんでわかったんですの!」

「私の仲間にお笑い芸人の素質がある奴なんているわけねえだろ!」

 

 あ……しまった。

 

「どうしたんですの?」

「今私お前の事仲間って言っちまった。違うのに」

「屈辱ですわ!」

「そこ悲しいですわじゃなくて!?」

 

「「こいつ(この人)と仲間同士なんて認めねえ(認められませんわ)!!」」

 

「何だかんだで初ちゃんと和泉ちゃんの関係より見てて平和に思えるのは俺だけ?」

「ふっ、さあな」

 

※※※

 

 こいつと一緒が平和とか頭どうかしてんぜ。

 

「喧嘩する程仲がいいって言うじゃん」

「喧嘩の規模がなあ」

 

 人死んでるし。

 

「これを仲が良いの程度で収めて良いんですの? 私は絶対認めませんが」

「どうでも良い」

 

 心底。

 

「酷いですわ!」

「なんだよお前友達になりたいのか?」

「そんなわけでは

「まあ私の友達の枠は埋まってるから、あとはパシリで自爆してもらう係しかいないなあ」

「腐ってますの!」

 

 ま、友達の枠が埋まってるとか嘘なんですけどね。

 

「某ゲームクリエイターかよ……」

「作者がスマ〇ラにハマってるのが全部悪い」

「言うて心夜君、〇ョーカーかク〇ムしか使ってないじゃん」

「吾の半身だな」

「あ、江代ちゃんはペル〇ナもF〇もやってるんだっけ?」

「ふっ、当然だ」

 

 覚醒だけな。

 

「俺も最近ス〇ッチ買ったし……そうだ。皆でスマブラ大会しようぜ」

「何故そうなった……。年末関係ないし、私的にはテレビ見たいし」

「ふっ、良いではないか。楽しそうだ」

「そうですわね。一度は皆さんに勝ってみたいですわ」

 

 一番可能性低い奴が何かほざいてる……。

 

「何か言いました?」

「言いまくった」

 

 心の中で。

 

「じゃあやるか」

 

※※※

 

『R〇FLET WIN!』『僕たちは互いに絆で結ばれているんだ』

 

「江代ちゃん強い……」

「ふっ、当然だ」

 

 プロゲーマーレベルだからな……。

 

「勝てませんわ……」

「ふっ……もう一度死合うか?」

「もう良いです」

 

※※※

 

 結局テレビをまた見る事に。

 

「取り敢えず……これからどうする?」

「思い出語る?」

「ふっ……そうするか」

 

 総集編紛いにならない程度に。

 

「というか……これ淀子ちゃん抜きでやって良いの?」

「……淀子って誰?」

「え……ええええっ! 他人のフリすんの!?」

「イエス」

 

 もう他人のフリした所で別に自由だろ。

 謹慎中なわけだし……。

 

「ねえねえここに姉の事を呼び捨てにした上に、他人扱いしようとしたクソアマがいるって聞いたんだけどまさかこの貧乳?」

「当たり」

 

 ……なんでこーなるの!

 

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