第三百五十八話 先輩とのデート その八(作者視点)
『じゃあ……始めるわよ』
『嫌だあ……』
『楽しみだわうふふ……』
『初ちゃあん……♡』
淀子がスイッチを押す。
そのまま転送装置的な奴で、俺は飛ばされた。
「……」
白い光が視界から消えた後、俺はショッピングモールに立っていた。
取り敢えず左手には発電機をいじる道具を携え、
「こちら心夜、侵入に成功した」
『了解よ。ただちにミッションを開始しなさい』
「はい」
てかこんな見つかっちゃいけないゲームしながら、どうやって声出しながら実況するんだ……。
『まあぶっちゃけ私は見つかっても助かるしね』
良いなあゴリラは。
『あ?』
何でもありません。
※※※
というわけで、一個目の発電機を発見した。
「発電機見つけたぞ」
『ジジジ……』
? ノイズ?
繋がってねえのか……それとも。
「おい淀子!」
『ねえそこのお兄さぁん……♡ パンツ見せてあげるからお金かアイス奢って~♡』
いやこんな時に何飯食おうとしてんだ痴女!
「おいクソビッチ」
『ビッチは優香よ何!?』
「発電機見つけたぞ! 直すからな!」
『はいはいやっといて……そんなわけでアイスを』
このアマ……。
「……」
取り敢えず修理道具を取り出す。
これでジオ〇インレベルの雷撃が、初と京極に降り注ぐわけだが……。
「……」
めっさ楽しくなってきたかも……リア充爆発させてやるぜベイベー♪
「ぐへへへ……」
「ママー、あのお兄さん変だよー?」
「しっ! 見ちゃダメ!」
創造主に対して失礼過ぎないかこの世界!
「あしまった……」
〇BDを友達の家で一回やった事があるが、勿論俺は下手くそだった。
そんな俺がスキルチェックをやっても大丈夫なのだろうか。
「よし……」
いじり始めると同時に、視界にスペースキーの表示が。
円状の中心のメーターが白い所に到達すると同時に、スペースキーを強く意識する。
「てかこれゲームよりムズイ」
ボタンを押して、また違うボタンを押すならまだ簡単だが、意識で操作するって難しいな。
人間の身体はゲームキャラ程簡単に出来ていないのがよく分かる。
「もう一度」
再びスキルチェック。
ボタンを頭に浮かべ、もう一度同じ行動。
成功。
「よし、あともうちょいか」
もう一度スキルチェック。
サークル内の針が、決まった場所に到達した時点で強く意識……。
ボンッ!!
「あ……」
失敗した……原作だと確か殺人鬼に居場所がバレる……。
逃げないとマズいか?
「……?」
空が一瞬瞬く。
そこから一つの何かが落ちてきた……。
「ゑ? ぎゃあああああああああああああああああッ!」
落雷だ……淀子が設定した所謂〇オダインレベルのが。
「いてえ……」
『あ、スキルチェックに失敗すると自分に雷が降る上に居場所がバレるからね』
先に言ってくれ……。
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