第三百五十三話 先輩とのデート その三 ✟


 ふっ、吾の視点とは久々だな。

 

「~♪」

 

 使いを引き受けたのは、貧乳の銃士の為でもあるが吾がママを好きだからというのもある。

 嬉しくて当然だ。

 

「~♪」

 

 だが長い時間も掛けられん。早く終わらせて救援に向かわねば。

 さて、獣の屍や嗜好品、果実から絞りし液体なとを売る……この世の言葉で『スーパー』と呼ばれる場所に来たのだが……。

 

『開店は九時~ まだ開いてねえよ帰れクソガキ』

 

 ……開いておらん。

 

「どうしてだよぉお!」

 

 ……何故だ。何故吾の行く手を阻む……ッ!

 吾はただ……ママにお酒を買ってあげたいだけなのに……ッ!

 

「許さん……吾は貴様を許さない。行くぞ……吾が最近手にした魔法を喰らえ!」

 

 木刀を上空に掲げる。

 自分の中で、二つの影を思い浮かべる。

 所謂ミックスレ〇ドという奴だ。

 

 影つーかペル〇ナ? By作者

 

「アル〇ナッ!!」

 

 木刀を下段に構えた後、機械から高威力の炎が放たれる。

 吾が風属性適性しかないのに使えたのは……まあ理由は省かせてもらおう。

 

「よし……」

 

 扉を破壊し、酒を手に入れ。

 そこからすぐに動く。

 まあ吾は万引きなどという手は使わん。

 勿論三万を置いてきた。

 

「すまんな……気の毒だが吾の愛する者の為だ」

 

※※※

 

 帰宅途中。

 

「~♪」

 

 ママ喜んでくれるかなあ♪

 

「待ちなさい江代さん」

「……ふっ、またか美咲。吾の邪魔をしに来たのか?」

「こればかりは生徒会副会長として見過ごせませんわ……」

 

 美咲は指を差す。

 

「その手に抱えているものは何ですか?」

「ふっ、酒だ」

「見損ないましたわ! まさか貴方達が、酒にまで手を出すなんて!」

 

 吾が飲むと思ってる辺り単純思考の馬鹿だな。

 

「吾が飲むのではないぞ……これはママのだ」

「そんな言い訳は通じませんわ!」

「取り敢えずそこを退け。退かぬなら吾の魔法を見舞う事になるぞ」

 

 美咲程度ならいける。

 

「もう一度ミックスレイド!」

 

 二つの影を思い浮かべる。

 今度はオリジナル技だ。

 

「ダブルヒーローズ!」

 

 炎と雷の嵐の渦が、機械から美咲へと放たれる。

 

「た、耐えてみせますわ!」

 

 無理だな。

 

「ぎゃあああああああああああああッ!!」

 

 どれだけやられれば気が済むのだか……。

 

※※※

 

「ママただいま……?」

 

 帰還したのは良いが、誰も家にはいない。

 全員出かけたのだろうか。

 

「流石に時間を掛け過ぎたな」

 

 マズい。行かねば……。

 

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