第三百四十二話 学校見学会(モブ視点) その五
「なるほどな……お前に借金を負わせようとしてるわけだ」
「はい……」
「いや正直、お前には美咲みたいな目にあって欲しくねえ。お前一人じゃ不安だろうし、この先の見学、私がついてきてやるよ」
「ほ、ホントですか!?」
「ああ。私はお前の味方だ」
「あ、ありがとうございます!」
初が なかまになった。
「〇ラクエ風のウィンドウやめろ」
「ド〇クエ?」
やった事ないのよ……あたし。
※※※
「ごめん皆、遅れちゃ……
……やはり無視されてる。
「大丈夫だ。私に任せな」
「は、はい」
「あれ奈々子いたんだ。てかそいつは?」
「……」
お、ツッコミ来るか?
「そいつってなんだコラ……テメエ調子乗んなよ? 今すぐ金出すか撃たれるか選べ」
銃!? ダメだただのヤクザにしか見えない!
「ひいいいいいッ!」
「いっちょあがり」
「ねえ初。私の部下をそんな風に脅すのやめて」
「やめろこいつらが部下とか。奈々子に焼肉代払わせるのだけはやめろ。こいつ一応一般人だぞ」
「一応三姉妹キャラなんだし、この世界の怖さを教えてあげないと」
「七章のオチとかもう要らねえから……」
凄い……あの淀子さんの台詞にバンバンツッコミを入れてる……。
見習わなければ。
「大体奈々子KYなのよ。KYが酷い目に遭うなんて女子の世界じゃ当たり前よね?」
「そーよそーよ……」
※※※
「というか初、アンタいつの間に仲良くなったのよ?」
「誘拐してお前の罪を全部吐き出してもらった」
「聞いてるだけだと凄い悪い警官ねアンタ」
警官って言うよりさっきの脅しはヤクザに見えたけど……。
というか何で銃なんか持ってるの……?
「あーこれエアガンだから大丈夫」
「初先輩も心読めるんですね」
「悪い。許してくれ」
まあこれくらい出来ないとあのトンデモ姉さんとはやっていけないよね……。
初先輩でも結構苦労してるんだから、あたしが苦労しても仕方ない。
「分かってくれるか……」
ぎゅっとあたしを抱きしめる初先輩。
「せ、先輩大丈夫ですから泣かないでください……」
あたしも嬉しいけど……。
「あ、浅井三姉妹のレズ枠が三人目に増えたわね」
「これだけでレズって決めるのやめろ」
ゑ? 初さんって……。
「ちがーう! 誤解するな!」
あたしは初さんを信じるよ……。
「なんで語尾が下がったのかな……?」
「いや、気のせいですよ……」
※※※
まさか初さんがレズだったなんて。
「しつこいわ!」
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