第三百四十一話 学校見学会(モブ視点) その四


「ここが理科室だ……今は一年三組が使ってるな……」

「あ~ここにいる奴らぶっ飛ばしたいわ飽きてきたし」

 

 発想が最早ゴリラだよこの人。

 

「あ?」

「何も言ってないです!」

 

 も~やだこんなの……。

 

「先輩、私もカツアゲして焼肉とか食べてみたいです!」

「簡単に言うんじゃないわよ。あれも命懸けなのよ」

 

 アンタの相手してる奴の方がよっぽど命かけてると思うわよ……。

 

「そんなわけないわよ。ねー?」

「ですです」

 

 便じょるの殺したくなる……。

 

「三話目にして常識人だったのが凶悪化……浅井三姉妹キャラの中だと新記録……?」

「あ?」

 

 何言ってんのこの人。

 

「ねえ私の台詞に真似しないでマジでキモい」

「そうよ奈々子キモイ」

「そーだそーだ!」

 

 ……。

 

「味方はいないの?」

「いないわね」

 

 狂ってるわ……どいつもこいつも狂ってるわ!

 

「妹の持ちネタ取ったわね……」

 

 藤原〇也の真似が持ちネタってどんな妹よ……。

 

※※※

 

 次は二年生の教室……に上がると同時に間休が始まった。

 

「間休だな。テメエら先輩に話聞いても良いぞ」

「はーい」

 

 いやだー。

 

「あ、淀子アンタどこ行ってたのよ」

「あー新人教育よ新人教育。こいつらが私の忠実な僕になるように調教中よ」

「ひどいです淀子せんぱーい!」

「あとで焼肉でも行くわよ」

「先輩やっぱりやーさしい!」

「でしょ?」

 

 ……。

 

「まあ奈々子は連れてかないけど」

「良いよ別に……」

 

 あたしに奢らされたりしたら地獄だし。

 

「領収書は成田奈々子で」

「……」

 

 悲報。あたしは行っても行かなくても奢らされるらしい。

 

「おいお前ちょっとこっち来い」

「ゑ?」

 

 あたしは急にハンカチで口を押さえられ、そのまま何者かによって連れて行かれた。

 

※※※

 

「何とか連れ出せた……」

「な、何するんですか……うわああっ!」

 

 振り向いた先に、言うのも恐ろしい人がいた。

 目つきが悪く、白いブラウスに黒いスカートを穿いた女子高生。

 しかも何が怖いかって……。

 

「先輩せめてブラは着けてください」

「要らねえんだよ」

 

 こいつが淀子さんの言ってた妹……?

 

「お前あいつとまともに関わらない方がいいぜ? 人によってはお前の友達のようになりかねない」

「で、ですよね」

「お前がまともな感性でいてくれてよかった……。このままお前に主人公を任せたい気分だぜ……」

 

 言ってる事はよく分かんないけど。

 

「んで、取り敢えず姉さんが何か企もうとしてるらしいじゃん。言ってみ?」

「ああ……はい」

 

 あたしはそれを告白し始めた。

 

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