第三百四十三話 学校見学会(モブ視点) その六
「……まったく奈々子。お前はどっちの味方なんだよ……」
「いや、あの……何でもないんです。忘れてください」
レ
「その思考をぶち殺す!」
※※※
「アンタどんだけレズ否定したいのよ」
「私がレズだったシーンを逆に教えてくれよなら」
「ついさっき」
「女に抱き着く=レズみたいな図式はすぐ捨てろ。分かったな?」
「やだ」
「奈々子。死ぬ気でこいつ殴ろうぜ」
「む、無理ですよ!」
死ぬ気どころかホントに死んじゃうよ!
「初先輩こそ無茶ぶりやめてください……」
「すまん……」
あたしも初先輩が分からなくなってきちゃったよ……。
「さあこっちに来るのよ奈々子。そして大人しく借金を負いなさい……」
「……ッ!」
「奈々子!」
初先輩……。
「こいつの言ってる事に惑わされるな。私はレズなんかじゃねえ!」
「ちょっと待って……うっ……」
あれ、淀子さん?
「淀子先輩どうしました?」
「ちょっとごめんこの空気吐きそう……。シリアスシーンに似ててダメこれ。うっ……おえええええええええええ!」
「は、吐いた!」
「いつもの事だ。気にするな」
気にしますよ!
※※※
「うう……予想外だわ……」
頭を抱える淀子さん。
「でも焼肉は食べるわ絶対」
「この人の食欲何なんですか? 初先輩」
「シリアスシーンに弱いっていう特徴はあるけど、それで特に弱体化とかしねえんだよな……」
キーンコーンカーンコーン♪
「……一つツッコミ良いか?」
「どうぞ先輩」
「予鈴なるの遅くねえか!?」
言われてみれば十分が凄く長いように感じた。
「まるでドラゴン〇ールのアニメだな……」
あたしは見た事ないからネタが分からないけど。
「てかこれは作者が単純に状況忘れてただけじゃない?」
「かもな」
「そして初。アンタ予鈴なったのに戻んないの? 不良なの?」
「お前がそれを言うか?」
※※※
「はーいじゃあ案内戻るぞ。っておい、初まで来たのか」
「この馬鹿共に好き勝手やらせるわけにはいかねえんでな」
「です!」
初先輩に続けて答える。
「はあ、こいつらの将来が心配だ。教師に反抗するなんて」
アンタらについていった奴らの方が心配だわ!
「つーか先公。あとどこ回んのさ」
「そーだな。あとは三年の教室見ていって、校長の話聞いて終わりだな」
校長に会うの……? 絶対嫌だ。
「大丈夫だ奈々子。ここの校長、キャラが薄すぎる事で有名だから」
「それどこが大丈夫なんです!?」
キャラが薄いから大丈夫ってどゆことよ……。
「まーた妙なキャラチェンジしてないと良いけどな……」
「チェンジ……例えばどんなのです?」
「そうだな……厨二病気取ったりしてた事があったな。私に演技だってバレたから二度とやらねえだろうけど」
「厨二病な校長!?」
ちょっと気になってしまう自分が怖い。
「厨二病なんてうちの妹で十分だっつーの」
「あれ、淀子さんの妹って一人じゃないんですね」
「ああ。末っ子が厨二病でね」
「へー……」
会いませんように。
「てかあいつそこそこ有名人だから会ったら驚くけどな」
「? 有名人?」
「会いたいか?」
「……。どういう意味か察しかねるので遠慮しときます」
「そうか」
あたしが知ってそうな有名人がこの人達の妹なの……?
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