第三百二十二話 江代の恋 その三
数十分後。
「あれが彼氏さん? 可愛いね」
「だな」
「初ちゃんの方が可愛いよ」
「いやそれを言って欲しいわけじゃねえ」
別に嫉妬とかしてねえし。
「拗ねなくても良いんだよ?」
「やめろ」
「むー……」
「怒るなよ……あとでハグしてあげるから」
「♪」
立ち直り早!
※※※
「お、今度はゲーセンか」
「ゲームセンターで何するの?」
あ、和泉はゲームやらねえからあまり知らねえのか。
「プリクラって機械があんだけど、多分それで写真撮るんじゃねえの?」
「ゲームセンターで写真撮れるんだ~」
こいつホントに女子高生?
エンタメもの興味ないを通り越して感性がおばあちゃん並みと言いたい。
「初ちゃんはやるの?」
「やらねえ」
虚しくなる。
「クレーンゲームも得意じゃねえから、シューティングゲーか格ゲーだけだな」
シューティングゲーと言えば……二章の時のクソカップルはどうなったんだろうか。
意外と気になる。
「高一で童貞処女卒業とか私を嘲笑ってんのか……」
「まあまあ……」
「やっぱり優香にあとで簡単に処女卒業出来る方法聞こうかな……」
「溜まってるなら私と
「そういうの良いから」
「……」
落ち込むなよ……。
※※※
「お、出てきたみたいだ」
「……」
「行くぞ和泉」
「……」
「和泉?」
「初ちゃんやっぱり冷たい」
いやレズ発言に対して片っ端から捌いてるだけ。
「……」
「うう……」
泣くなよ……。
「ほら、手繋ぐぞ」
「初ちゃん……♪」
一周回ってこいつが可愛く見えてきたけど多分気のせいだ。
「……」
「行こうか」
「うん」
お前ら結婚しろとか言った奴……正直に手をあげろ。
今回はビンタで勘弁してやる。
お前も満更ではなさそうだな。By作者
「黙れ」
※※※
「……」
「?」
「……」
「?」
なにこれ。
「初ちゃん何で黙ってるの?」
「……」
「?」
「ど、どうでも良いだろ」
私が黙ってる理由を教えてやる。それはな。
「わーあの二人カップルみたーい!」
「見ちゃだめよ」
なんか汚物を見る目で周りから見られてるからなんだよ!
「みんな私と初ちゃんの事を応援してくれてるんだね」
「……いやだぁ……」
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