第二百九十一話 ハロウィン その六
また寝起きみたいな感覚と共に目覚めた。多分死んだんだな。
「そろそろ私のワースト記録に届きそうですわ」
うわ目覚めて初めて聞く台詞が美咲とかそれ以上に最悪なのある?
「悪かったですわね!」
「初ちゃん大丈夫?」
「大丈夫じゃねえからこの感覚に襲われてるわけなんですよ」
姉さんは絶対に許さん。
「人を怒らせるのって楽しいわよね」
「淀子ちゃん?」
包丁しまえ!
「うん♪」
もうこいつの笑顔ですら怖くなってきた。
※※※
「お菓子貰っていい?」
「初ちゃんになら、これあげる」
渡されたのは手作りチョコと思しきもの。
「これ貰っちゃうと多分バレンタイン編で作者が相当苦労する事になりそうなんだけど……」
ネタ被りの問題で。
「大丈夫。今度はもっと愛情込めたのあげるから♪」
愛情の正体は知らない方が良さそうだ。これが官能小説になりそうだし。
「ちゃんと食べてね♪」
「はい」
普通なら捨てる人もいるだろうがそんな事はしねえ。入ってるものはともかく、食べ物を粗末にするのは私が許しません。
「食べるのねやっぱり百合か」
「事の発端。もう私と和泉を怒らせないでくれ」
※※※
「てわけで、今回のハロウィンの優勝者は……」
画面がスマッ〇ュボールの形で変わり……。
『YODOKO WINS!』「私に勝とうなんて百年早いわ」
「ふっ……もう少しセンスのある台詞が欲しいな」
「じゃあアンタならどうするの?」
え……これで時間取るの?
という間も無く画面が再び変わる。
『EYO WINS!』「吾は負けるわけにはいかないんだ」
丸パクリじゃねえか!
「ふっ……これくらいセンスのある台詞でないとな」
「あくまでお前のセンスではないけどな」
「貧乳の銃士は?」
「私この作品で一度も勝利画面出た事ねえんだけど」
〇マブラごっこで負けまくったし。
「だから良いわ」
「ふっ……拗ねるとは子供か?」
お前に言われたくねえ。
「初ちゃんよしよし……」
「撫でなくて良いから」
「うう……」
本当に扱いに困る。
「じゃあ焼肉行くわよ。ビリの美咲の奢りで」
「私も行く♪」
「どうしてこうなるんですの……?」
美咲……もう私らに勝つのは諦めろ……。
「人の金で食う飯は美味いわよ!」
……美咲。今回は同情してやるよ。
「屈辱ですわ!」
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