第二百九十二話 七章反省会 焼肉と共に


「いっただっきまーす!」

 

 来た店は高級焼き肉店。そっちの店で言うと〇々苑クラスの。

 

「美咲……払えるか?」

「……」

 

 ダメだ人生終わったみたいな顔してやがる。

 

「会計の前で立ち往生しそうね」

 

 そしてそれをやらせた当人には罪悪感なし。

 もう美咲にとってはたまったもんじゃねえだろう。

 まあ助けられねえし。

 

「美味い」

 

 私も食べてるわけだけど。

 

「ふっ、明日から八章だな」

「あと五章で終わりか……。長いようで短いんだな一年って」

 

 むしゃむしゃ。

「来月オンリーイベントがあるのだが、吾と行くか?」

「おう。行くか」

 

 こいつ確か同人誌も書いてた筈。有名動画配信者なのにやってる事が多すぎる。

 

「初ちゃんあーんして♪」

「やめろ和泉恥ずかしい」

「……」

 

 美咲……。

 

「ねえ美咲。何か言いたい事はあるかしら?」

「(……帰って良いですか?)」

「聞こえないわね」

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