第二百四十話 父親 その二


「ただいま」

「……パパか?」

「お、江代いたのか」

「パパッ!」

 

 ホントに江代は親想いだよな。親父は別として、お袋アレなのに。

 

「アレって何かしら初ちゃん?」

「取り敢えずその包丁をしまえ」

「料理中だっただけなのに」

「私の胸に刃が向いているのはどういう事だい?」

「まな板の代わりになるかと

「ぶっ殺してやろうか?」

「返り討ちにするわ」

 

 やっぱり本編終了まで帰って欲しくなかったかも。

 

※※※

 

「母さんもあんなんで、大変な想いをさせたな」

「まあ慣れてるから良いよ」

 

 痛いけど。

 

「よし決めた」

「?」

「俺が一回、市華と淀子をがっつり叱ってやる」

 

 ……マジで?

 

「マジだ」

「私でさえ無理なのに出来るのか?」

「俺が誰だか分かるか? あの市華と結婚した男だぞ」

「うん、まあ、ねえ……」

「じゃあちょっと行ってくるよ」

 

 逝ってこないでよ?

 

※※※

 

 ……やっぱり心配だ。

 文面だけだと自信満々に聞こえるが、実際はめっちゃ震えながら言っていた。

 大体俺はお袋と結婚した男だとか言ってたが、実際は親父の顔を好きになったミーハーのクソ女がたまたま強すぎて断れなかっただけに過ぎない。

 ……親父、登場二話目にしてこの世界から去るのか。

 せめて今月の誕生日にくらい顔を出して欲しかったのだが。

 

「え、パパ死ぬの?」

「なんだ江代か」

 

 急に素で登場されて誰か分かんなかったわ。

 

「取り敢えずお前に言える事は一つだ。親父、今から姉さんとお袋を叱って、殺される」

「嫌だあああああああ!」

「待てい泣くな! 首の骨をへし折るぞ」

 

 某ナメック星人のようにな。

 

「吾の首をへし折るだと? それは吾の魔法を

「今はやめろ」

 

※※※

 

「とにかく、私は今から親父を救うつもりだ。焼け石に水だとは思うけどな」

「うん」

「お前も協力しろ」

「ママにだけは当てるなよ」

 

 ゑ? なんで?

 

「いや、江代さん? お袋に当てなきゃ親父が死ぬ」

 

 まあ当たっても注意を逸らすくらいしか出来ないだろうけど。

 

「正直私だけでこれが出来るとは思わない。てわけで江代、お前が魔法を

「だが断る。ママを傷付ける奴許さない」

「んな事言ってる場合か。親父がやべえんだよ!」

「うっ……ううっ……」

 

 あーもーめんどくせえなこいつッ!

 

「……どう説得しよう」

 

 でぇじょうぶだ。親父が死んでもドラ〇ンボールで生き返ぇれるさ。By作者

 

「帰れクズ〇ット」

 

 クズ〇ットじゃねえ! オラ孫〇空だ! By作者

 

「まあでもそうか。どうせ死者蘇生すれば良いのか」

「ふっ……忘れていたな」

 

 どうだ? 俺に感謝する気になったか? By作者

 

「そもそもこれ全部お前が書いてんのに何をどう感謝しろと?」

 

 ごもっともです。By作者

 

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