第百三十七話 淀子ちゃんの言いなりにしかなれない その三
その頃……私の知らない所では。
「……あれ……遠藤くん……? あの女……誰だろう……?」
不安の雲が少しずつでかくなっていた。
※※※
『もしもし~』
「おい作者。これ以上私の身体がもたないから、何とかしてくれ」
『心配するな。今一つ手をうった』
手?
『まあ淀子達を見てな』
……。
「私の奴隷になれて、楽しいでしょ?」
「いえ。まったく」
「楽しいでしょ?」
「……はい」
あれがどうにかなるのか……?
『左見てみな』
左を見る。
すると……。
「遠藤くぅーん!!」
女子大生ぐらいの女が遠藤に向かってとんでもない速さで走ってるのが見える。
「まあ姉さんと比べたら遅いけど」
「遠藤くぅーん!」
「あれ……あの子は……」
「何よ私以外の女に
「あああああああああッ!!」
なんだなんだなんだ!?
「遠藤くぅーん会いたかったよ~!」
「……誰?」
誰あいつ!?
※※※
『てわけで、俺が紹介するよ。彼女は遠藤くんの同級生……という設定を背負ったモブです』
はい?
『つまり俺が頭いじったって事』
倫理的に色々問題ありそうだなおい。
『一応遠藤は俺の友人から借りたキャラだから下手に設定付け足すのも出来なくてな』
なら許可取れば良いだろォ!?
『取れたら書き直すから良いや』
怠惰だなぁ……をい。
『リ〇ロ二期万歳』
あと映画化もな。
※※※
「久しぶりだね! 遠藤くん!」
「だから……君は誰なの?」
「
「知らない」
「え~知らないの!? ゆ……優奈悲しいよ~……」
なんか見ててうぜえんだけど。
『そうか?』
男から見たらそうでもねえけど、女の私が見るとかなりウザい。
「ねえ遠藤? それから急に現れたモブ子ちゃん?」
「白子よ! 白子優奈!」
「遠藤は今、私の奴隷やってる途中だから邪魔しないで欲しいわね」
「奴隷?」
「そう……奴隷。今は私の手足なの。アンタが何を言おうと、遠藤は言う事を聞かないわよ」
「いや聞けますけどね」
「黙りなさい?」
「……はい」
弱いなあ……私も人の事言えねえけど。
「どういう事?」
「いきなり現れて何の用か知らないけど、今日は帰った方が良いわよ」
「そっちこそ、遠藤くんの何が分かるっていうの!?」
「どの範囲でかは知らないけど、私勘が良いから人見れば大体の事が分かるわ」
ストーカーレベルでな。
しかも思考覗くし。
「例えばそうねえ……遠藤、お客さんから幼女ものの写真貰ったでしょ」
「何でそれ分かるの!?」
「臭い」
「臭い!?」
無駄に鼻も良いしな。
「んで遠藤の友人の知ったかぶり子さん」
「知ったかぶり子!?」
「アンタ二十五歳ね」
「男が女に年齢聞いて良いと思ってる?」
「誰が男よしばくわよ」
「あごめん。ゴリラが人間に年齢聞いて良いと思ってる?」
「ミンチにするわよ処女」
すげえブーメランだなおい。
「まあそういう事だから、諦めなさい」
そうなるか……。出した意味無くなっちゃうけど。
「待ちなさい」
「何よ」
「勝負しなさい……」
こいつ終わったな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます