第百三十五話 淀子ちゃんの言いなりにしかなれない その一


 異世界道具店にて。

 

「アンタ明日私の奴隷になりなさい」

「何なのいきなり!?」

 

※※※

 

「どうしたの淀子ちゃん」

「あー私が説明する。こいつ……黒崎くんにまたハマってんだよ」

「中島〇人君出てたからね」

 

 こいつ本当に好きな。

 

「淀子ちゃん……ゴリラなのに意外と趣味は普通の女の子だね」

「あ”?」

「いや。実はこの店のお得意さんに眼鏡の医大生がいるんだけど、その人淀子ちゃんのお気に入りらしくて、いつも淀子ちゃんに連れられた後はボロ雑巾みたいになって帰ってくるんだ」

「なんだその客」


 多分それは姉さんの奴隷にされてるな。

 姉さんが普通の男好きになるわけないし。


「詳しくは作者の友人の作品『しがない珈琲屋の店長』を読んでね。あれは俺が全部主役だから」

「いや何故このタイミングでステマ!?」

「この作品はパロや宣伝したい人には優しい作りになってるって聞いたから」

「もうそのせいで小説じゃなくなりつつあるからやめろ!」

 

 ビルの掲示板かこの作品は。

 

※※※

 

「話を戻して。奴隷になるのは良いけど、何すればいいの?」

「奴隷になるの良いのかよ」

「言う事聞かなきゃ大変な事になるだろ」

「私ねえ、一章で振られたのよ。だから、男を不快にしないデートをしてみたいと思ってるの」

「もうこの時点で不快なんだけど」

 

 奴隷じゃそうなるわな。

 

「私みたいな美人とデート出来るのよ。文句言わない」

「いや文句しかない。そもそも俺巨乳に興味ねえ」

「へー貧乳の肩を持つの?」

「そうだ。俺は巨乳なんかに負け

「ほーら遠藤? 目の前にメロンが二つあるわよ~」

「よ、淀子ちゃんッ!? だ……大胆過ぎるよッ!」

「ほらほら~。触りたいでしょ~? でも触らせてあげない♡」

「そんな~!」

 

 こんのォ……裏切り者ッ!

 

「というわけで、来なさいよ」

「……はい」

 

 あとで屋上に遠藤を呼ぼうかな?

 

※※※

 

「ホントに大丈夫か?」

「アンタみたいに取り乱さないし、邪魔が入っても私がぶっ飛ばすわ」

 

 ぶっ飛ばしたら周りが消し飛ぶんだよ……。

 

「くれぐれも力を出すな。パンチ一発ですら許さん」

「無理♡」

「あと領収書や修繕費を私名義で出すな」

「断る♡」

「……死ね」

「返り討ちにするわよ♡」

「畜生め」

 

 そして、運命の日を迎えた。

 

※※※

 

「うう……」

「なんで吐きそうなのよ」

「いや、君にされそうな事を想像したらそうなった」

「ミンチにするわよ」

「すまんそん」

 

 頑張れ遠藤。

 

 数分後。

 遠藤と姉さんは、キャットランドに向かった。

 

「一章以来ね」

「俺は来た事無いけど」

「デートと言えばここよね」

「いや……俺デートとかした事無いから」

「これだから童貞は……」

「今何気に失礼な事言わなかったッ!?」

「いや流石にその歳で童貞はマズくない?」

「そうじゃなくて! 俺が童貞だと何で決めつけた!?」

「女の子はね、男には分からない能力があるのよ」

 

 正直お前が持つ能力に男も女も関係ないと思う。

 

「ととととにかくッ! どどど童貞じゃないから!」

「怪しいわね~」

「い……行くぞ!」

「ふふふ……楽しませて」

 

 これからどうなっちまうんだ……?

 

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