第百三十二話 友人が三姉妹に対し思ってる事


「和泉、一緒に帰るか?」

「ごめんね……今日は無理かな」

 

 凄い申し訳なさそうに言うな……『微乳レズ』め。

 

「また明日な」

「うん」

 

※※※

 

 で別れるわけがねえんだよ。

 

「おかしい……」

 

 あいつはいつも私と一緒にいる。そんな奴が私と一緒に帰るのを拒んだ。

 こんな学校なのだ。絶対何かあったに違いない。

 

「美咲ちゃん!」

「和泉さん来ましたね。では、優香さんを待ちましょう」

 

 和泉と美咲と……優香?

 どんな化学反応起こすんだ……?

 全く予想出来ねえんだけど。

 

「ちょりちょりちょりーっす!」

「もう優香さん、集合時刻に遅れるなんてどういうつもりですか?」

「いやーごめんごめん。淀子っちと話し込んでてさ。じゃあ行こっか」

 

 行くか。

 

※※※

 

 カラオケ。

 

「……行くところ意外と普通だったな……おい」

 

 作者……これ編集ミスじゃねえか? これ面白い展開期待出来ねえぞ。

 

『いいや違うよ。まあそこで待ってみれば分かる。取り敢えず普通にしてて』

 

 へいへい。

 

「んじゃ……普通に盗撮カメラ設置してくるか」

 

『お客様のお部屋は二階の二十五号室ですね』

 

※※※

 

 先回りして二十五号室にカメラを設置し、そのまま別室へ。

 さあ……どうなる?

 

『んじゃあ、報告会開催すっか~』

 

 ……この並び。いやメンバーいないから違うか。

 

『あいつらに関して不満がある奴?』

『はい』

『美咲っちか。なんだ?』

『江代さんの事なんですが。彼女は動画配信をやっていまして、最近呼び出しして注意したのですが、木刀でぶん殴られました』

『ふっははははは!!』

 

 いやトーク内容はクソつまんねえけどこれガ〇使のアレじゃねえかよ……。

 アレか? 私が笑ったらケツバットとかか?

 

『タイキックの方が良いか?』

 

 そうじゃねえよ! てか聞こえてんの?

 

『はい』

『和泉っちか。何かある?』

『初ちゃんの話しても大丈夫?』

『初っちねえ~。あいつ意外とノリ良かったな』

 

 私は疲れたよ。

 

『初ちゃん、実はバイト先の先輩が好きで頑張ってるんだけど……この前こんな事言ってたんだよね』

『ほうほう。どんな?』

 

 おい……待て。まさかあの時の事か……?

 

※※※ 数日前。

 

「なあ和泉」

「どうしたの?」

「犬ってさ……マーキングする時に小便掛けるじゃん?」

「そうだね」

「マーキングって、普通自分のものである事を証明する為にすることじゃん?」

「うん」

「先輩。ライバル多そうじゃん。だから極論言うとさ

 

※※※

 

『先輩の家に小便掛ければ良くねえか? って言ってた』

 

 やめろよおォッ!!

 

『……へー』

 

 なんでそこ無関心なんだよ! 驚けよ!

 

『気持ちは分かります』

 

 分からんで良い! 違ァう! 私はそういうつもりで言ったんじゃない!

 

『じゃあ淀子っちの話するか。淀子っちは……』

 

「『『ごめん。それは良いよ』』」

 

『そうか? 残念だな~』

 

 姉さんはこれに取り上げるような事が無いんじゃない。

 ありすぎて語りつくせねえんだよ。

 はあ……これから自分の言動に注意しねえと。

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る