第百二十六話 ヨド☆トモ その六 最終回


「いてぇ……」

 

 結局私がボコボコにされた。

 

「最終章入ったわね」

 

 取り敢えず最終章までで分かった事を並べる。

 この喋る虎は地球外生命体で、主人公以外の虎守もそれを倒そうとしているらしい。

 それで結局虎を倒さないと地球を救えないわけで、主人公は現在他の虎守から敵視されている。

 前回に引き続き、完全にバト〇です。おめでとうございます。

 

「まあ瘴気を放たないだけマシか」

 

 地球人死ぬもん。

 

し〇〇〇〇二号『俺……殺されたくねえ』

 

「そうよね。助けなきゃ!」

 

 私に投げるなよ? そう言ったならやれよ?

 

「初が」

 

 ふざけんな。

 

※※※

 

他の虎守『見つけた! これを倒せば地球は救われるんだ!』

し〇〇〇〇二号『俺……淀子の為に死ぬわけにはいかない。皆……殺す』

 

 これだけ見たら普通に良い話に見えるのがすげえ残念。

 

「ラストバトルよ!」

 

 パシッ!

 

「はぁ……」

 

※※※

 

「ノーマルなのに超ムズ!」

 

 最終戦は、主人公が虎守全員と戦うというステージだった。

 しかし強すぎる。作者が二章のラストバトルで星のかけらを十個も無駄にした時並みに。

 

「それ言われても知らないわよ」

『まあ俺のPSが不足してるだけだから馬鹿にしないでくれ』

 

 私と江代は馬鹿にするけどな。

 

『泣いて良い……?』

 

 気持ち悪。

 

『うるせえ! 死にたくなるだろうが!』

 

 連載終わるからやめてくれください。

 

※※※

 

 バトル後のイベントシーン。

 主人公が奮戦し、ボス前に姿を現すというバー〇ック的な活躍の後、悲劇は起きた。

 

し〇〇〇〇二号『ぐおおおおおおッ!!』

虎守『よし、倒したぞ!』

 

「し〇〇〇〇ゥゥゥゥッ!!」

 

し〇〇〇〇二号『淀……子……』

 

「死なないで! し〇〇〇〇!」

 

し〇〇〇〇二号『俺は……楽しかった。お前といられて。楽しかった』

 

「やめてよ……」

 

 姉さんがガチ泣き!? でもここまでの過程を知ってる私は真顔でいるしかねえんだが。

 

「やめてよ! 死なないで!」

 

し〇〇〇〇二号『泣くんじゃねえよ……バカ』

 

「ううう……」

「……」

 

し〇〇〇〇二号『死ぬ前によ、テメエの飯が食いてえ……。あれが食べてえんだ……』

 

「分かったわ!」

 

『最後の料理を作りましょう!』

 

※※※

 

 数分後。

 

「いつもより沢山、イカの塩辛とセミの抜け殻を入れたからね……!」

 

 泣きながら気持ち悪いもん作るな!

 

し〇〇〇〇二号『へへ……ありがてえ……』

 

 むしゃむしゃ。

 

し〇〇〇〇二号『さよ……なら……淀子…………ゔっ!!』

 

「し〇〇〇〇ううううううううううううううううううう!!」

 

 殺したのお前だけどな。

 

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