第百十三話 江代 馬鹿達の戦国 その一


初「また私出られないパターンかこれ」

心夜「そう。江代以外全員出演しないから、お前がナレよろしく」

初「今回の章は江代の出番多すぎる気がするんだが」

心夜「気にするな」

 

第一話『一五七四年 降臨』

 

 頃は……昔々。

 彼女……江代は、近江の小谷城にて降臨した。

 

「おい待て。一旦映像止めろ!」

「何だよ」

「これってさ、大河ドラマのパロディじゃねえの?」

「そうだよ」

「降臨したって事は、お江どうなんの?」

「ん? お市が死んだお江を錬成しようとしたら降臨したって設定」

 

 ……。

 

「てことは、お市さんは……?」

「うん。こうなった」

 

 心夜が指さした方向には。

 

「ど、どういう事!?」

 

 鎧の身体の浅井市がいた。

 

「……」

「何とか賢者の石を使って魂だけ錬成したから安心しろ」

「元に戻せよ? ちゃんと」

「無理かも」

 

※※※

 

「江代、江代! 蹴鞠しない? 初も一緒だよ」

 

 茶々様か。てか妹の名前私と同じで見分けるのめんどくせえな。

 んで……あれが。

 

「吾にそのような暇はない。吾は今……」

 

 何をしてんだ?

 

「動画配信をしている」

 

 もうどうツッコんだら良いか分かんねえ奴来たんだけど!

 この時代で動画配信って誰に宛ててだよ!

 

「どうが……はいしん……ってなに?」

「おかめみたいな顔をして、歯を黒く染めているような阿呆の知能などこの程度か……。吾は闇の騎士。そして、吾は配下達に至福の時間を与えている」

 

 収益入んねえだろ! てかそれこの時代の美人の基準だからツッコんじゃダメだろ!

 

「私にとっては、それをやっていない貴女の方が不思議なんだけど」

「ふっ、長政にやられそうになった時は焦った。まあ、吾がこの木刀で仕留めたがな」

 

 ここでも木刀設定ありかよ。

 

「ところで江代はどこから来たんですか?」

「ふっ……闇の世界。だが、吾と共に戦う仲間がいる所さ」

 

 何となく察してたけどタイムスリップだったんかい。

 

「母上はいつ帰ってくるんですか?」

「ふっ、帰ってこぬよ。貴様の母は錬金術を使った。その結果吾がここに転送された」

 

 古い方のハ〇レンの設定とか今時分かる奴いねえだろ……。

 

「私には何を言ってるか分かんないけど……。取り敢えず、蹴鞠しない?」

「悪いが、吾は円〇守の真似をしている暇などない。豪〇寺とでも戯れているんだな」

「それは誰?」

「貴様らその者達の名も知らぬのか!」

 

 当たりめえだろうがよ!

 

「良いか貴様。これは一般常識に値するものだぞ」

「な、なるほど」

 

 あくまでこの時代の知識ではないけどね。

 

「まず貴様はそのおかめみたいな顔を治せ! 貧乳の銃士みたいな救いようのない奴になるぞ!」

 

 うん後でぶっ殺す。

 

「は、はあ……」

「ふっ……後で吾がじっくり調教してやるかな……?」

「え……ちょっ……まっ……」

 

「覚悟!」

 

「ぎゃああああああああああッ!!」

 

 なんてツッコむのが正解なんだ……? これ。

 

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