第九十九話 初のデート大作戦! その五


 バス停にて。

 

「今日はどこ行く予定なの?」

「え!?」

 

 やばい……全然決めてねえよ……。

 とりあえず、最後にホテル行くのは確定だとしてぇ……その前まで何するかなぁ……。

 

「先輩は、どこ行きたいですか?」

「んー……そうだねぇ。僕は浅井さんが行きたい所に付き合いたいけど、僕が決めて良いのかい?」

「は、はい!」

 

 先輩の事だ……きっと素敵な場所を知ってる。

 例えば、

 

「遊園地かなあ。前に友達と行ったけど楽しかったし」

「良いですね! 遊園地行きましょう!」

「あれ、良いんだ」

「良いに決まってます! 先輩と行く所ならどこでも!」

「わ、分かった」

 

 二人で遊園地とか超良いじゃん! 一章の校外学習とか、もう馬鹿どものせいで散々だったし……。

 先輩と腕組んだり~♪ 先輩とコーヒーカップ乗ったり~♪ ジェットコースター乗ったり~♪

 そして最後にホテルで、先輩には私に乗ってもらうの♪

 あ……考えただけで火照ってきちゃう……。いやん♪

 

「思考がきもっ……」

 

ムカッ……。

 てかおい、前も言ったけどモブが私の思考を読むんじゃねえよ。

 

「うわっ、こっち睨んでる~。怖すぎ~」

 

 うるせえよ黒ギャルビッチ。

 大体今の時代黒ギャルなんて流行んねえんだよ。残念だったな黒ギャルビッチ。私はテメエがいつも股開いてる相手じゃなくて、もっと凄い奴に股を開くんだから。

 精々嫉妬してると良いわ……ッ!

 

「どうしたの? 浅井さん」

「ううん、何でもないですよ!」

 

 あっぶね~……先輩に悪い印象を与える所だったぜ……。

 良いんだぜ先輩。先輩の欲望のままに、私をめちゃくちゃにして。

 

「何乗りたい?」

「せんぱ……いえいえ! じぇっ、ジェットコースターとか?」

 

 やべえ騎〇位って言いそうになった。

 

「浅井さん、意外とそういうの大丈夫なんだね」

「だ、ダメですか……?」

「僕はいいと思うよ」

 

 いやァァァァァァァァッ!! 爽やか過ぎるゥゥゥゥゥゥッ!!

 

「あ……ありがとうございます……」

 

「ね~作者~。見せられてる側は全然楽しくないんだけど、どうすんのよこれ」

「そうだなぁ~」

「何か楽しく初の邪魔したいわね」

「ああっ! くそっ!」

「どうしたのよ作者」

「また〇ッドくんが死んだッ! どんだけムズイんだよ」

「執筆中にアイ〇ナをやるんじゃないわよ作者!」

「ん、待てよ……。良い事思いついた」

「何よ作者」

「これやるのはどうだ? 一応作者だからこの世界のコントロールは自由だしな」

「?」

「つまり……このデートにア〇ワナ風の仕掛けを用意して邪魔するんだよ」

「お~それ楽しそう」

 

※※※

 

「……?」

 

 今一瞬嫌な予感が……。

 

「どうしたの?」

「ん、何でも無いですよ!」

 

 だと良いんだけど。

 

「あ、バス着きましたね!」

 

 もう遊園地が目の前に。

 さて、浅井初……。行きまァァァァァァすッ!

 

「待って浅井さん!」

「ゑ……?」

 

 マズい、車に引かれ……。

 

《GAME OVER》《PRESS “R” TO TRY AGAIN》

 

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