第九十七話 初のデート大作戦! その三


――〇ンジ! 起きなさい!

 

「……ん?」

 

 知ってる天井だ……。

 てかなんで? 私バイトしてたよな?

 

「起きなさいシ〇ジ」

「どこだ初号機」

 

 違う違う。

 

「私、バイトしてた筈だよな……? それが何故我が家で、ゴリラを見ながら起きる展開になってるわ

「あ?」

 

※※※

 

 痛い。

 

「もう一回眠る?」

「殴ってから言うんじゃねえよ……」

 

 親父にもぶたれた事無いのに、こいつにだけは何度もぶたれてる。

 

「へ~。私は誰にもぶたれた事ないわよ」

「ぶてる相手いねえだろ。いや、待てよ……」

 

 三栄がいれば……。

 

「二度とそいつの話はしないで。良いね?」

「酷い事するようなら、呼び出しを考えようかな」

「んー? 殺しちゃうよ~?」

「スミマセンユルシテ」

 

※※※

 

「で、私は何でここにいるわけ?」

「先輩のおかげよ」

 

 は?

 

「どういう事?」

「だ~か~ら。先輩がアンタをここまで背負って運んだの」

 

 は?

 

「何回言わせる気?」

「いや、これ私の耳が壊れてるん? または作者の脳が壊れてこんな言葉を

「頭壊れてるのアンタ。作者が意図して書いたセリフよ」

「わざわざそこまで言わんでよろしい。それで、先輩が何だって?」

「運んだのよ。もう二度と言わないから」

 

 ……。

 

「……マジで?」

「マジよ」

 

 はぁ……。

 

「寝言は寝て言え赤ちゃん」

「うん、殺すね」

 

※※※

 

 星が見えた。

 

「それで、倒れた私を先輩が運んだんだな?」

「そうよ」

「そっかぁ……」

 

 ……。

 

「どうしたのよ」

「どういう状況か詳しく教えろ」

「アンタを背負ってたわよ~。玄関で捨てちゃって良いわよって私が言ったのに、律儀に二階まで運んでくれたし」

 

 をい。

 

「あんなイケメンがいる職場とか、超嬉しいわね」

「せ、せ、せ……」

「セッ〇〇したいの?」

「違うわ!!」

 

 せ、背負っただと……!?

 てことは何か? 私の胸とか手とか足が先輩の背中に触れていて……。

 

「そもそもアンタに胸なんてあるの?」

「絞め殺してえ」

 

 先輩が私なんかを……?

 そ、そんなの……。

 

「初?」

「興奮しちまうじゃねえかァァァァァァァァァッ!!」

 

 ダメだ先輩。そんな事したら私、興奮しちゃう……。

 

「というかデート編始まってからアンタうるさい」

「普段からうるせえお前らに言われたらどうすれば良いんだ私は」

「もしこれがアニメなら、アンタニ〇ニコ動画とかで『処女の極み』集とか作られるレベルよ」

「そこまで酷いのか私は」

「うん」

 

 ……。

 

「寝るわ」

「準備は?」

「明日の朝やる」

 

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