第九十四話 三姉妹の睡眠


 夜十一時。明日に先輩を誘うというイベントを控えていた私は、心地よく眠っていた。

 

「くー……くー……」

 

 それはもう、凄い心地よく。

 

「初」

 

 うん、凄い心地よく。

 

「ねえ初ってば」

 

 心地よく。

 

「ねぇぇぇぇぇええええええッ!」

 

 心地よく!

 

「はぁぁぁぁぁぁぁつゥゥゥゥゥゥ!?」

 

 ここちよ……

 

「ねえねえねえねえねえねえねえッ!」

 

「――うるせえェェェェェェッ! 今何時だと思ってんだテメエッ!」

 

「おや時」

「そんなつまんねえギャグは聞いてねえ。何で起こした?」

「鼾がうるさい」

「仕方ねえだろ部屋一緒なんだからよッ!」

 

 私達は今時珍しいだろうが、いい歳して姉妹三人川の字で寝ている。

 三人の固有の空間があれば良いのだが、諸々の事情がありそんなわけにもいかない。

 

「てかアンタ達が金出せば良いだけの話よね」

「江代に言えよ。あいにく私は家を広くする為の金なんかねえ」

「けっ、安時給め」

「働けクソアマ」

 

 まあ良い。鼾を抑えて寝てやるか。

 

※※※

 

 さーて、今度こそ心地よく寝るんだ。

 

「……」

 

 デート楽しみだなぁ……。

 

「貧乳の銃士……」

 

 先輩に揉まれたいよぉ……。

 

「貧乳の銃士」

 

 大きいおっぱいが憎い……。

 

「おい貴様……何をやっている……?」

 

 先輩の先輩の事を想像しt

 

「貴様だ貴様に言ってるんだ! 何者なんだ貴様はッ!」

「ウォールローゼ南区ダーパー村出身! 浅井は……おいやらすなッ!!」

「貧乳の銃士よ……吾は今、限界を迎えている」

「限界? 私はお前らの世話をするのが限界なんだが」

「吾は、吾はだな……もう膀胱が限界だ」

「いやトイレ行けよ」

「ふっ、吾は闇を好むが……今は少し事情が違う。護衛を頼みたい」

「ついてけば良いの?」

「ふっ、流石。勘はよ……

「ん?」

「漏れそうだよぉぉぉぉぉお姉ちゃん助けてェェェェェェッ!!」

「早くしようよ!」

 

※※※

 

「ふっ、恩にきる」

「そうかい」

 

 てかホント漏らしたり着いてきてもらったりって……お前はいくつだよ。

 

「吾がし終わるまで、そこから動くなよ」

「嫌だと言ったら……?」

「ママに言う」

「そこだけマザコンに戻るな」

「とにかく、動くなよ」

「へいへい」

 

 てかまだ音聞こえるな。どんだけ溜めてんだよあいつ。

 

「あのさ、私もしたくなったから早くしてくんない?」

「ま、まだ無理だぞ!?」

「いやもう二分は経ってるぞ! 小便すんのにどんだけ掛かってんだよ!」

「貧乳の銃士よ! それは発言しても良いのか!?」

「全部作者の責任だから大丈夫だ! 問題ねえ! ドアの向こうは想像の余地を与えることとする!」

「ねぇ~……うるさいわよ……」

 

 あ、姉さん……。

 

「私もトイレ……」

「待て、こっから先は妄想に任せる事にしたんだ! 開くのは

「うるさいわね。もう漏れそ

 

「「「あ」」」

 

「――いやあぁァァァァァァァァァッ!!」

 

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