第九十一話 淀子、バイトを始める その四


 痛い……。

 

「あれ……初さんさっき、指見てから気付かなかった?」

「だね……」

 

 カー〇ゥーンネットワークのアニメじゃよくある事だがな。

 因みに作者はパワーパフガー〇ズをよく見ていたらしい。

 

「てかもう今更この作品でそれツッコむ所じゃねえだろ」

「そうだね。で、職業体験出来る装置なら……二章で出したドラマの主人公体験装置を調整すれば出来るよ」

「お前借り物のキャラだけど、確かお前の作者の作ったキャラに天才科学者いなかったか?」

「別作品だから大丈夫よ」

 

 面目の心配はする必要ないみたいだ。

 

「じゃあ私ガソスタやりたいわ」

「不安だから私も監督としてダイブする」

「りょーかい」

 

※※※ リンク〇タート

 

 まだ姉さんに何かやらせるのは不安だからな。私が手本を見せるか。

 にしても運転上手いな姉さん。まああんなオチでもバイクの免許取ったしな。

 

「はい。ストップ……ってうおあああああああッ!!」

 

 ガァンッ!!

 

「ちっ……生きてたか」

「ちっ、じゃねえよ! 仮想空間とは言え私をひき殺す気だったろ!」

「いやあ、私もハンバーグ食べたかったのよねぇ」

「今日の夕飯ハンバーグにしてやるから! 今は真面目にやれ! な!?」

 

 仕切り直して。

 

「お客様、レギュラーでしょうかハイオクでしょうか?」

「んー……じゃあ。あいおく一つとレギュラー三つください」

「お飲み物はどうしますか?」

「オレンジジュースで」

「かしこまりました。お客様。相手が私でもふざけねえでもらえます?」

「ノリツッコミのつもり?」

「良いからちゃんとやれ」

 

 しかも元ネタの声真似しながらだし。

 

「わーったわよ。ハイオク満タン、現金でお願いするわ」

「最初からそう言えカス」

「殺すわよぉ?」

「指折れてる奴に酷いなテメエ……」

 

※※※

 

 ポジションチェンジ。

 

「お待たせいたしました。ハイオクとレギュラー……どっちにする~?」

 

 セクシーポーズ決めるな……すげえイライラする。

 

「これで私のガソスタに来た男を掌で転がせるじゃない?」

「いや、意味は?」

「逆にお金取れるかもよ~? 底辺の男どもが、超美人に話しかけてもらえるんだからね!」

 

 免許取ってもこいつのスタンドには行かねえ。

 

「とにかくハイオクくれ」

「現金にする~? カードにする~? そ・れ・と・も~? わ・た・し・と・し・ちゃ・う?」

「罰金という選択肢はありますか?」

「殺すわよ」

「現金で頼むわ」

 

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