第五十八話 定期テスト その二


 さて、すぐに当日はやってきた。

 一時間目は現文。まずは漢字を解く問題だ。

 

「えーっと、これはこれで、これはあれ」

 

 中学生までの漢字かある程度分かれば、ここで高得点が取れる。ここの馬鹿共に負けない為に戦っている私に、抜かりはない。

 今回も満点だ。

 次は文章題。確かメロスだった筈だ。著作権的に乗せて大丈夫なのだろうか。

 

 ――えーっとメロスは激怒した、だっけか。

 

『走れメ〇ス(心夜風)』

 

 なんだ心夜風って。

 

『メロスは激怒した』

 

 うん、良いよ良いよ。

 

『必ず、女風呂を覗かねばならぬと決意した』

 

『ノゾク』違い!? てか理由がくだらねえよ!

 

『メロスには常識がわからぬ』

 

 でしょうよ。

 

『メロスは、村の変人である。ホラを吹き、女と遊んで暮らしてきた』

 

 どんどんメロスが悪い人にされていくな……。

 

(太宰治作 走れメロスより 一部文章を引用)

 

 全部読んだけど……めちゃくちゃな終わりだな。

 

『次の問いに答えよ』

『問一 メロスは何者ですか?』

 

 ……村の変人。

 

『問二 妹の結婚式に行けなかった理由は?』

 

 あのシーンか。確かメロスは結婚式に行くはずだが、このテストの問題だと拒否られていた。

 理由は……。

 

 息臭いから。

 

『問三 セリヌンティウスは何者?』

 

 ……メロスのホモ達。

 

 やばい……。この問題を解く度に、自分が純粋にメロスを楽しんでいた頃の記憶が消えていく。

 テスト中に涙を流しかけた……その時。

 

『問四 この文章をみたタカシ君は、突如一分間に40mの速さで歩くお兄さんを一分間に200mの速さで追いかけました。このときのタカシ君の心境を答えよ(友人の問いより引用)』

 

 知らねェェェェェェェェェよッ!?

 これ現代文だよな!? え、数学!?

 どっちなのか分かんねえよ……。

 

※ 今回のパロ元の問題は、事前に友人である松岡様(いつもの人)に許可をいただいています。

淀子「いや、メ〇スはアウトじゃない?」

※それは知らない。

 

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