第五十話 釣り その五


「はぁ……」

 

 食べ物を残すのは、好きではない。私は塩むすびを江代と全部食べ、もうお腹が苦しかった。

 

「……」

 

 この脂肪分が全部胸に行けば、幸せなのだが。

 人間の身体はそう都合よく出来ていない。

 

「ふっ……これで貴様も闇の力を手に入れられたな」

「いらないもん貰ったわ」

 

 江代は後で一発どつこうかな。

 

「ママに言うぞッ!」

「お前まで心読むな!」

 

 いつからこいつら地の文読めるようになったんだ……?

 

「この世界で生きていくなら必須スキルよ」

「ごめん。この世界がどうかしてたわ」

 

 てか早く服着ろよ姉さん。

 

「釣れるまでは着ない。てか寧ろ全裸に

「ダメだァァァァァァァッ!」

 

※※※

 

 全裸は阻止し、数時間。

 試行錯誤を重ねた結果、釣れた数は。

 

「六十九匹も釣れたわね」

「この小説って数字に下ネタを入れなきゃ死んじゃう病にでも掛かってんのかな……」

「シックスナ

「やめい」

 

 さて、何を作ろうか。

 

「では吾が塩焼きに

「却下」

「どうしてだよぉお!」

「いや、さっきの塩むすびで分かった。お前に塩を使わせたらいけねえって」

「いやあの塩むすびだけだぞ!?」

 

 どうやったら信じられるんだ?

 

「まあまあ、皆でやろうよ!」

「こういう時和泉がいるとマジで助かる」

「普通の日常ものに持っていくのやめなさいよ。シックスナ

「やめろ」

 

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