第四十四話 ボーリング その二


 二週目。私のターン。

 

「とうっ!」

「初ちゃんすごーい」

「さっきは悪かったな、和泉。このバカ共のせいで」

「いやアンタが勝手にパニクっただけじゃん。何人のせいにしてんの?」

「もう前回の話に触れるな頼む」

 

 次は姉さんの番。

 

「次は私ね。えーっとボールは……」

「もう私は使わせねえぞ!?」

「じゃあこの大人の玩具をあのピンに

「バ〇ルドームじゃねえよ! てか私の物勝手に持ってくんな!」

「ドラ〇もんバトルドームも

「言わせねえよ!?」

 

 てかバトル〇ームとか今の奴ら知らねえだろ!?

 

「じゃあこうしようかしら」

「えっ……なんで自分の身体に力込めてんだ!?」

「はああああああ!!」

 

 ドラ〇ンボール的な解放音と共に、姉さんの周囲に風が巻き起こる。

 

「界〇拳ンンンンッ!!」

「はあッ!?」

「うォォォォォォッ!!」

「壁突っ込んだァァァァァァァァッ!」

 

 スコアにはストライクの表示。ここのボーリング場どうなってんだよ……。

 

※※※

 

「痛い……」

「壁突っ込んだら普通は痛いわ」

 

 てかなんで界王〇なんだよ。

 

「でもボーリング楽しいわね」

「今一瞬で治った気がしたのは気のせいか?」

「これギャグラノベだし、当たり前でしょ?」

 

 まあそうだな……壁もなんか元に戻ってるし。

 

「ふっ、次は吾の番だ」

「江代、お前は

「サンダァァァァァァァァッ!!」

「は?」

 

 ガーターである。

 

「どうしてだよぉお!」

「いや少し捻れよ!」

 

※※※

 

「私の番か……ってあれ? ボールは?」

「はっはっは……無いわよ。ボール無いわよォ!!」

「はあ!?」

「私が突った時さ、あれ実はボールを持ったままだったのよね。だからその時に」

「ふざけんなよォォォォ!?」

「何とかしてねー」

「いや……おいッ!」

 

 クソ……どうすりゃ良いんだ?

 

「初ちゃん。もう覚悟を決めるしかないよ!」

「それってつまり……」

「うん。突撃して」

「和泉ィィィィィィィィィッ!」

 

 諦めんなよてめえ!

 

「ふっ……この運命を受け入れろ。貧乳の銃士!」

「いや無理なんだけど。絶対嫌なんだけど」

「ほら初ちゃん! 一歩踏み出してッ!」

「うわァァァァッ! 滑るゥゥゥゥゥゥゥッ!」

 

 あ……死んだ。

 

「あァァァァァァァァァァァァァァッ!!」

 

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