第三十一話 超会議に行こう その五


 ゲーム開始一ターンで六人が死んだ。

 それはそれは凄まじい速さで。内五人は戦闘によるもの、一人は裏切り者の裁き――GMに選択されて死んだ者だ。

 

『一ターン目で沢山の死体を見られて嬉しいよ。さあて、これからどうなるのかな』

 

 残ったメンバーは江代、カヨさん、PE―PEさん、そして私が知らない人。以上四人。

 さて、ここからどうなるんだろうか。

 

※※※

 

「うおっ、負けたあ!!」

 

 私が知らない実況者が退場するのは早かった。

 PE―PEさんが、それを倒したのだ。

 

「じゃんけんだ!」

「カヨさん、負けませんよ!」

 

 PE―PEさんとカヨさんの戦闘。勝者は。

 

「よっしゃあああああああ!!」

 

 カヨさんだ。

 もう残り二人。あとは江代とカヨさんのみ。

 

「さて、決着をつけようぜ」

「ふっ、我が深淵の力――味わわせてやる」

 

 この戦い、どうなるのだろうか。

 

「アルティメット・ヘルッ!」「さいしょはグー」

 

「サンダあああああああ!!」「じゃんけんほい!!」

 

 またこのパターン!?

 

「あいこでほい!! あいこでほい!! あいこでほい!!」

「あいこでほい!! あいこでほい!! あいこでほい!!」

「ふっ、これが吾の最終奥義……喰らえ!! ヘルファイヤああああああああ

 

『二ターン目終了です。処刑するプレイヤーは江代令嬢さんです!』

 

「なぁんでだよおおおおおおッ!」

 

 藤〇竜也やめい。

 

※※※

 

「あ……うん。残念だったな……」

「吾に同情するな、貧乳の銃士」

 

 隣で歩く江代の顔は、まあ凄く落ち込んでいた。

 それも仕方ないだろう。

 

「まさか最後まで生き残るなんてな、お姉ちゃんは凄いと思うぞ」

「姉貴面すんな、馬鹿」

「殴って良い?」

 

※※※

 

 長い時間を掛けて滋賀まで戻り。

 私は家の扉を開けた。

 

「ただい、ま……?」

 

 あれ、私の家ってこんな感じだっけ。

 というか、姉さんはどうした?

 

「姉さーん? 淀子姉さーん?」

 

 返事はない。まるでただの屍になってしまったかのように。

 いやまさか。姉さんに限ってそんな事は――。

 

「は……つ……」

 

 ええええええええええええええええ!?

 いや、ごめん。私にはこの状況を理解出来ない。

 何故姉さんが倒れてるのかとか、こんなにぐったりしているのかとか。

 しかも家も、散らかってるし……。

 

「初……助けて、くれ……」

「ねえさあああああああああああん!!」

 

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