第十七話 校外学習 その七


「おえっ……ぐへぇ……ゲロロ……」

 

 最終的に全部吐いた。何ならジェットコースター十回乗る方がマシなくらいだ。

 

「そんなに吐く事ないじゃない」

「あんなに激しくされたら誰でも吐くわボケ!」

「いっそここで気絶する?」

「そうじゃなくて早く解放しろ!」

「やだ♪」

「金返せボケ」

「あ?」

「ごめんなさい」

 

 しかし、こんなコントをしている場合では無かった。

 

「いたぞ!」

「……来たわね」

 

 ガシッと私の腕を掴む姉さん。

 

「気持ち悪くならない方でお願いし……あああああああああ!」

 

※※※

 

「ああああああああッ!」

「叫ばないでよバレるでしょ!」

「まずお前が私を解放しろよ!?」

「駄目です」

「なぁんでだよォォォォッ!」

 

 江代の持ちネタを拝借する。

 

「追っ手は近い?」

「おげろげろ……」

「しばくわよ」

「来てるわバリバリ!」

 

 吐きそう……。

 

「もう仕方ないわね! このままじゃオチがなくなりそうだしやるわよ!」

「オチとか言うな!」

 

 確かになんかグダグダだったけどさ!

 

「かかってこい!」

「ここであったが百年目! ステーキ丼は私達がいただ」

「かせないわよ」

 

 その後は、地獄だった。

 姉さんの攻撃によって、襲撃者は全員倒してしまった。

 

「ふぅ~……さて、これにどうオチをつけようかしら」

「知らねえよ」

 

 ――ピンポンパンポン……。

 

『浅井淀子さん、浅井初さん。先生がお呼びです、支給迷子センターまでお越しください』

 

「……私帰る」

「ふざけるな」

 

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