第七話 原因

「さて、反省会をするわよ」

「……はあ?」

 

 ナンパから九日後――ではなく、普通に次の日の日曜。

 姉さんがいきなり、そんな事を言いだした。

 

「反省も何も、お前が金の配分間違えたせいで大変になっただけじゃねえか」

「いや、それは違うわよ初。アンタは自分に原因があったと思わないの?」

「思いません」

「ほんっと最低ね」

 

 いや、なんでだよ!

 

「だってそれ以外理由ないじゃん。親にも怒られるし、しばらく私と関わらないで欲しい」

「殴るわよ」

「ごめんなさい」

 

※※※

 

「赤の姫、何に対して反省するのだ?」

「そうね……金の無駄遣いだけでなく、昨日ナンパに失敗した原因は色々あると思うのよ。だから、次は成功するように、ちゃんと指摘し合わないと」

 いや、もう二度とナンパしねえからな? それにお前らが失敗した原因も常識で考えれば分かる事だし。

 

「は、何言ってんの? 次もまたいつかやるわよ」

「やらねえよ!? てか心を読むな!」

 こいつの勘の良さ……何とかならねえの?

 

「じゃあ、まず私の欠点を挙げられる人」

「はい」

「初ね。どうぞ」

「全部」

「……ほかに意見がある人」

「無視しやがった!」

 

「ふっ」

「江代ね。意見をどうぞ」

「赤の姫には、欠点しかない……あんな淫らに責めたら、引かれるのは当ぜ

「うん、私は欠点無しね」

「聞いてよぉ!」

 

 やめろよ姉さん、今回は江代が可哀想だろ!

 

「ふっ……落ち着け吾。吾には欠点などないではないか」

「アンタこそ欠点しかないわよ」

「なぁんでだよぉぉぉぉぉぉッ!!」

 

 なんか、江代が可哀想に見えてきた。

 

「あ、因みに初も欠点ばかりだから」

「はあ!?」

 

 いや、私昨日めっちゃ良い奴だったよな!?

 

「あの男連れて来たのはどこの誰?」

「ぐっ……」

 

 言い返せねえ。

 

「というかそうじゃねえだろ? 今日こんな話してるのは、細かい部分を指摘する為! 意見がざっくりし過ぎだろ!」

「うーん……」

 

 ようやくまともに答える気になったか……。

 

「じゃあ、処女なのと言動がキモいのと、処女なのと貧乳なのと、処女な事」

「うるッせェェェェェェッ!!」

 

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