第5話
「リリスさんこの女性は誰ですか?」
アリスが無表情で発したいつもより低い声の一言により室内の気温が下がったきがした。
そして、タイミングよく目を覚まし身体を起こしていたアリシアさんもアリスの一言で硬直し動かなくなった。
「お、おかえり~アリスちゃん」
「ねぇ、リリスさん答えてください」
ひぃぃぃぃアリスこわいぃ
感情のないハイライトがなくなった瞳を向け声のトーンもいつもの声にくらべて低く普段のアリスとのイメージというかギャップがすごい、それもあって背筋寒いものが走る。
「アリスのお母さんアリシアさんだよ」
「は?」
「アリスを産んだ人だよ」
「リリスさん・・・少し場所をかえて二人でお話しませんか?」
「アッハイ」
アリシアさんを置いて部屋をアリス部屋にアリスとともに移る。
私はお話のために部屋から出るときアリシアさんを横目に見たが涙を浮かべていた。なんの涙かは私にはわからない。再会の涙なのか産んだ娘にだれ?と言われたとにたいする涙なのかはたまた両方なのかと。
「リリスさん説明おねがいします。」
「アリスもしもの話をしたの覚えてるかな?」
「はい、覚えています。」
「会いたいとアリス答えたよね?」
「はい」
「魔族領に行って探して見つけて連れてきたの!!」
「・・・本当に私のお母さんなんですか?どおして私の本当お母さんだと言えるのですか?」
神さまに教えてもらったとは言えないので追求されるだろうと思った事は事前に言い訳を考えていた。
「私のスキルに鑑定眼って言うのがあってね。私つねにスキル発動してるから見たものはだいたい記憶してるのね、それで彼女の、あーアリシアさんのステータスにアリスの母親って書いてあったの思い出して、ちょっと行って保護したんだよ。」
「リリスさんそんなスキル持ってたんですね・・・私知らなかった」
おや、なんか違う方向に雲居きが・・・
「リリスさんって前から思っていましたが謎が多いですよね隠し事もまだありそうですし・・・」
「ははは、まあ私の事はいいじゃない?それよりもアリスはお母さんと暮らせるようになるんだよ?嬉しくないのかな?」
やはり、というか反応が微妙だった。
「どうすればいいのかわかりません・・・」
うんうん、いきなりいなかった人・・・知らない人が突然同居するとなるとどう接したりすればいいのかわからないよねー
「まあ・・・アリスとアリシアさんは血の繋がった親子なんだし今からでもそう、遅くないんじゃないかな?私も二人が円満な関係を築けるようにサポートするからね?少し歩みよって見ない?」
「リリスさんが・・・そう言うなら、頑張ってみます・・・」
一先ず問題解決?内心色々誤魔化せてホッとした私はアリスの頭を優しく撫でながらこれからのことを考えるのだった。
撫ですぎたのか「もう、子供じゃない!」といいアリスに手をはたかれたことに私は地味にダメージを受けたのは別の話だ。いや、まだアリス7歳でしょ!!
窓の外は日が落ちたころ。
アリスの誕生日を祝うためテーブルには豪華な料理が並べらんでいる。
作った私から見ても豪華すぎてキラキラ輝きのエフェクトが放たれている気がするなか、私の周り厳密に言えばアリスとアリシアさんからはどんよりした感じが漂っている。
沈黙がきつい・・・これはなんとか二人の仲を取り持たねばいけないだろう私に課せられた試練いや責任だろうか。
「アリス誕生日おめでとう!!ほら、アリシアさんも」
「あ、アリスお、めでとう」
「あ、ありがとうリリスさん、お、お母、さん」
二人ともぎこちない
「ささ、コップもって!今日はアリスの誕生に親子の感動の再会を祝してかんぱーい」
音頭をとり場の空気をつくりあげる。二人はみことに流されてくれたコチ~ンとお互いのコップがぶつかり乾杯する。
「さぁ、召し上がれ~最後にはデザートもあるからね~」
二人に食べるように促す、食べ始めしばらくすると、先程までの雰囲気はなくなりおいしい料理に舌打つ二人には、今は自然な笑みが浮かんでいた。
二人のいいたべっぷりでじゃっかん作りすぎていた料理達はすべて完食された。
それを見て作った者としては嬉しく思う。二人して膨れたお腹になり幸せそうな顔をしているのはやはり、親子だなぁと見ていて微笑ましくなる。
「二人ともデザートは入りそう?」
「「はいる(ります)!!」」
二人の返事がハモり、それに二人がハッお互いの顔を見合わせすぐに視線をそらす。
照れる照れる。
なかなかいい空気になってきたのではなかろうか・・・
そう、思いながら神さまに頼んでおいたイチゴが乗ったホールケーキをとりだし綺麗に切るために包丁お湯につけ暖め包丁についた水をふきとり切り始める。
最初は手作りしようと思ったが生前は男だったわけで作ったこともなく作り方も解らず機材も足りない中で早くも手作りを諦めたのだ。
神さまが料理本とかレシピも入れようか?など言って来ているので、ぜひ、お願いしよう。
切り分けが終わったので二人お皿に大きめに切った二つを載せ、二人の前に置く。
「わ~、リリスさんこれなんていうデザートー?」
目の前に置かれたショートケーキをキラキラした瞳で見つめながら私に訪ねる。
「ショートケーキっていうものだよ。私のいた国ではお祝い事の日に食べていたんだよ。」
アリスに私のことを遠い国から海を渡り自由に旅をしていてたまたま立ち寄った国でアリスとであったのだと説明している。
説明した当初アリス不安そうにしていたのをみてアリスが独り立ちできるまでは旅を中止にすると伝えた時のアリスの純粋な嬉しさをあたりまんべんにふりまきながらの笑顔はなかなかの破壊力があったのを覚えている。
あっロリコンではないですよ?純粋に守ってあげたいその笑顔と心に誓っただけです。
「「お、おいしぃぃぃぃ!!」」
親子だからかな?一口食べたのち息ぴったりで幸せそうに顔がふにゃりさせたのもアリスが二人にはなったのではと錯覚するほど似ていた。
大きめに切ったショートケーキを二人はペロリと完食、お代わりを二人そろってねだってきたが食べ過ぎて虫歯になるといけないのでダメと答えておいた。
ダメと言われ先程までショートケーキがのっていたなにもないお皿みつめ子供のようにしょんぼりする二人を片目に私は片付け始める。あっアリスはまだ子供でしたね。
問題はアリシアさんがなんだか幼く感じることだろうか・・・悪いことばかりではないぶっちゃけアリスはお母さんというより同い年の仲のいいお友だち感覚で食事中二人は自然に会話ができていた、がしかしだ!!いいのかな?アリスのお母さんとしては?
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