登る
何か大きな目的に向かって登っていたんだと思う。
そんな大きな目的を忘れてしまうくらい、この梅雨のジメジメしている時期というのは人間のやる気を削いでしまうんだろう。
いつも登っていた、何かに向かって。登った先に何があるかは分からないが、ひたすら登っていた。
そんな中、ふと足元を覗くと、真っ暗な闇が広がっている。
もう引き返せないところまで来ている。今滑り落ちたら一寸先は闇だ。
どこかへ出かけようか、それともこのジメジメしている中、布団にくるまって一日が終わるのを待とうか。
今は登れない。登れるような気分じゃない。
どうしようもなく、果てしない節目に立たされているのかもしれない。
何もしたくない、いや、できないのだ。
足がすくんで動けない、動こうと思っても動けず、一人の空間に取り残される。
取り残されるともうそこから動けなくなる。蛇に睨まれた蛙のような感じだ。
無題 ミウラ @Miuracv
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