それは唐突に

僕のやる気が突然なくなってしまうのは、突然であった。

ただ、それが払拭されるのも突然であった。


生きた心地もせぬまま、自分の鬱をとじ込んで接触を拒む。

そんな生活を一週間も続けると、いつの間にか「やる気」が頭を出す。

空回りするようなやる気ではなく、心の奥深いところから、すっと持ち上がってくる。自信のあるやる気。

本当に突然だ。前触れもなく、後味の悪さがあるようなモノではない。


自信は、死んでいた心を生き返らせる復活材だ。

生活に色が加わり、また息を吹き返す。

やる気がなくなり、自分の殻に閉じこもるのは、いいことではない。

が、やる気がなくなった時だからこそ、突然と沸いてくる自信を嬉しく思う。


何もないと感じる日常には、色があり、リズムがある。どんなに街が喧騒にあふれていようと、そこに感性が加わり、真っ白いキャンバスに色を付ける。

そんなことを感じ取れるのも、一度、自分の底を知り、絶望するからなのかも知れない。

自分を知り、世界に触れる。これは、唐突だった。

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