28 1/2 リツ

 ココさんの寝室はとてもいい香りがした。




 キングサイズのベッドに照明、サイドテーブル。

 たったそれだけの部屋。


「このベッドに入った男は何人目?」


「失礼ね!初めてよ」


「ほんとに?ココさんに言い寄る男は多いでしょ?」


「みんな酔っぱらいだからね」


「アオイさんだって、ココさんイイって言ってたし」


「ほんと?!アオイさんならいいかなー」


「おいっ!浮気は許さないからね」


「何言ってるの?アナタが浮気の相手なのに」


「俺は旦那さんから認められてるの。公認でしょ?」


「何ソレ」


 またクスクス笑ってる。

 シーツにくるまるココさんを抱きしめる。


「どこが一番気持ちいい?」


「ヤダ、教えない」


 俺はココさんをくすぐって、キスして、両手を頭の上にあげて両手首を掴んだ。


「んっ、なに?」


 そのままシャツで手首を縛る。


「調査」


 おもむろに脇の下をナメる。


「ヤダ、くすぐったい!」


 身をよじるココさんに股がって押さえ込み

 全身に舌を這わせる。

 俺ナシでは生きていけないカラダにしてやる。




「やっ……やめっ……はっ……」




 よし、だいたい分かった。

 シャツをほどくと、ココさんの反撃が始まった。


「リツ、ひどい!」


「でも気持ちよかったでしょ?」


 ココさんは俺の上に股がってキスした。


 首筋から胸へ


 少しずつ


 どんどん下へ降りていく──




 カチャリ




 俺の足首に

 見えない枷がハメられる音がした。








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